専大松戸・吉岡 劇的Vアーチ 13回満塁涙の一振り 第103回全国高校野球 千葉大会 最終日

もう一度甲子園へ。打球は全員の願いを乗せ右翼へ伸びていく。快音と同時にこみ上げた思いが涙となりあふれ出る。何度も手で顔を覆いながら仲間の待つ本塁へ飛び込んだ。3時間56分。大会史上初の延長十三回タイブレークにまでもつれた決勝は、吉岡道泰が優勝決定サヨナラ満塁弾で終止符。専大松戸が劇的に春夏連続甲子園切符をつかんだ。
ヒーローの涙の理由は「千葉の球児で一番悔しい思いをしたから」。春の聖地では左翼の守備でライナーに飛び込んだが、捕球できずに後逸。決勝のランニング本塁打を許し、一人で立てないほど泣き崩れた。2日後に期間限定の主将に任命され、「やるからには優勝してやる」と春季関東大会初制覇へ導いた。
背番号7を責める人間などいなかった。「『お前の積極性だけは忘れるな』ってみんなが言ってくれて。本当に支えられてばかりだった」と涙ぐむ。練習試合では飛球が来るたびに「怖かった」。だが、「絶対に自分のプレーで甲子園に戻る。あの1球を捕れるように」と恩返しを誓った。
「積極果敢」。自認する持ち味を忘れなかった。今大会は何度も頭から滑り込み仲間を鼓舞。派手なガッツポーズも繰り返した。高校野球の神様が与えてくれた満塁機で「自分が決めるんだ」と最後まで積極性を貫いた結果に尽きる。誰よりも泥だらけになった男が、誰よりも輝いた。

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