東京ディズニーシーの新テーマポートプロジェクトを推進してきたオリエンタルランド吉田謙次新社長に聞く

きょうは海の日。東京ディズニーシー(TDS)は今年、開園20周年を迎える。東京ディズニーリゾート(TDR、千葉・浦安市)を運営するオリエンタルランド(OLC)の代表取締役社長兼COOに就任した吉田謙次氏(60)がこのほど、スポーツ報知などの取材に応じた。コロナ禍で上場以来、初の赤字に陥ったOLCを立て直す新社長は、23年度に開業予定のTDSの新テーマポート「ファンタジースプリングス」のプロジェクト推進本部長を務めたキーマン。「コロナ禍で得た知見を今後の成長に生かしたい」と新たな世界観を創造していく。(坂口愛澄)
TDSは2001年年9月4日に開園し、今年20周年を迎える。通常なら4月に始まる周年イベントは9月まで持ち越され、吉田新社長の就任会見も行われず、囲み取材となった。
新型コロナウイルスの影響で東京ディズニーランド(TDL)、TDSとも入場者数を5000人に制限していることで、チケットは日々争奪戦のようだ。
「多数のゲスト(入園客)にお越しいただいている。大変ありがたく思いますし、楽しい時間を過ごしてもらえるよう私たちも精いっぱいのおもてなしをしなければならないという思いです」
それでもコロナの影響は大きく、休業や入園者数の制限で売り上げが大幅に減少。2021年3月期(20年4月~21年3月)の決算は、1996年の上場以来初めての最終赤字(純損益541億円)に陥った。
「経営にとっては非常に厳しく、想定していたよりもさらに厳しい状況が続いていますが、この期間の事業運営を通して多少なりとも知見を高められた。コロナ禍で得た知見を今後の成長に大いに生かしたいです」

昨年12月からは新型コロナウイルス感染対策として3密を避けるため、アトラクションの予約をスマホで事前に取得し待ち時間をなくす「スタンバイパス」を新たに導入した。
「パークでの時間が有効に使えるということになる。待ち時間を極力少なくし、ショーを見たり、ショッピングをしたり、パークの中を歩いて景観を楽しんでもらうことは、新しいチャンスが生まれてくるのかなと。課題はあるが推進していきたい」
23年度にはTDSで「魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界」をテーマにした新テーマポート「ファンタジースプリングス」が開業予定。過去最大規模のプロジェクトに吉田氏も推進本部長として携わり、思い入れはかなり強い。
「ファンタジースプリングスは再成長に向けての希望の星になると考え、大きなターゲットとして置いています。完成すれば、このリゾートが一気にレベルアップする。完成させてゲストの皆さまに新しい価値を提供することが大事だと考えています」
このテーマポートは「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」「ピーターパン」を題材とした3つのエリアが広がり、景観にも工夫を凝らしている。「ピーターパン」のアトラクションは既にTDLにあるが、新たな世界観を楽しむことができる。
「TDLはネバーランドに行くまでの旅で小さいお子さまも十分に楽しめるというものだったのですが、こちらのアトラクションはかなりスリルを感じるところがある。ネバーランドに行った後の楽しみや冒険を演出するのでTDLのピーターパンとは次元が違います」

社長就任前は、経理部長やフード本部長なども経験。経営にあたって、パークと一般管理部を経験しているということが自身の強みだと捉え、キャスト(従業員)や現場の声は積極的に取り入れたいと考えている。
「現場から『ここをこうしていきたい、チャレンジしたいんだ』という声をいかに経営まで引き上げ、後押しできるかが重要。そんな会社促進ができれば非常に盤石なものになるのではと思っています。事業を再成長させ、業績の早期回復を目指すことが私の使命なので、着実にこなしていきたい」
◆吉田 謙次(よしだ・けんじ)1960年9月3日、神奈川県生まれ。60歳。法大経済学部を卒業後、84年にオリエンタルランド入社。経理部長、フード本部長、第8テーマポート推進本部長を経て、6月29日に代表取締役社長兼COOに就任。

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