生産性が落ちたので、海辺のホテルでワーケーションをしてみた

なんだか最近、生産性が下がった気がする──そう感じたのは、6月頭のことだ。

筆者の仕事はフルリモートで行えるため、会社には長らく行っていない。

1年以上続くテレワークで体力が落ちたのか、気温が高くなってからダルさを感じることが多くなった。4月からチームの目標が新しくなり、新メンバーも入ったが、特に問題もなく2カ月たったので、安心して気が抜けたのかもしれない。

いずれにせよ、このままではマズい。そう思った筆者は、上司に相談して1週間のワーケーションを行うことに決めた。

最適な宿泊先を探す
当社のリモートワークの規則には、「出社要請があった際、2時間以内に出社できる場所で行うこと」という決まりがある。

一方、以前参加したセミナーでは、自然を眺めることにより、疲労回復効果があると紹介していた。これらの理由から、麹町にあるアイティメディアのオフィスから2時間で行ける範囲で、なるべく自然豊かな場所を探した。行き先は、神奈川県横須賀市の観音崎京急ホテルに決めた。

予約は、ワーケーションに特化した「Otell」という予約サイトから行った。Otellでは、平日月曜から金曜の滞在プランのみ取り扱っているので、外出予定のない週を選び、予約した。

ホテルを選ぶ際、心配だったのは仕事環境だ。費用は抑えたいが、狭い部屋のホテルだと机の広さに不安がある。何より、記事編集の際には複数のブラウザを開くため、ディスプレイが欲しい。Otellで予約したのは、連泊のプランが比較的安かったことに加え、各施設の仕事環境についての説明があったからだ。

4泊5日、生産性は上がるのか?
そして6月下旬、ワーケーションを実施した。

ホテルに到着したのは月曜日の夜だ。家を出る前に終わらなかった仕事を少し行い、就寝。カーテンの閉め方が甘かったため、翌日は差し込む朝日で目が覚めた。

朝起きて、「あ、私テンション上がってるな」と実感した。このところ、仕事を始める前は憂鬱で、始業時間ぎりぎりまで寝て過ごしていたが、今日は違う。地元のお店にランチを食べに行きたいし、温泉にも入りたい。早く仕事を終わらせなければ──と、ポジティブな締め切り効果が働いた。

神奈川県ではまん延防止等重点措置が発出されており(6月下旬時点)、地元の飲食店も、併設している温泉施設も20時で閉まってしまう。そのため、早く退勤する必要がある。仕事が終わらない場合は食事や入浴後に作業時間を取った。一週間のスケジュールは、下記のような形だった。

ワーケーションというと、通常は間に休みを取ったり、休日を挟んだりして観光に専念する日を作ることが多いだろう。そんな中、筆者は5日間フルで働いてしまった。だが、滞在日数が長かったのと、朝、昼、夕方の時間に散歩や飲食店に出掛けられたので、周囲の環境を楽しむことはできた。

この一週間を通して、とても晴れやかな気持ちで毎日仕事をしていたと思う。生活習慣も改善し、食事もよく食べたので、ずっと悩んでいた口内炎があっさり消えるなど、良い効果が得られた。家事をする必要がないので、出掛ける時間以外はとても仕事に集中できていたと感じている。

では実際、生産性には変化があったのだろうか。

ワーケーションを終えてから、この週にこなした仕事量と労働時間を計算した。仕事量は、その1週間前とほぼ同等だった。一方で、残業時間は4時間から2.5時間へと減少。集中して仕事ができた結果が反映された。

加えて、在宅勤務中はランチ休憩時や退勤後もチャットの連絡があると携帯やPCで確認してしまうことが多いが、ワーケーション中は外食や温泉を楽しんでいるため、そのようなことは起こりづらい。大幅に、とはいかなかったが、生産性は上がったといえるだろう。

筆者の思わぬ「失敗」とは?
おおむね快適に過ごせた1週間だったが、失敗点がなかったわけではない。

筆者は自宅を出発する際、ディスプレイ利用可の部屋を選んだから大丈夫だろうと、HDMIケーブルを持たずに家を出てしまった。しかし、部屋に備えついているテレビをディスプレイとして利用できるのみ。フロントにも確認したが、ケーブルの用意はなかった。

幸い、筆者は別の部屋で夫がワーケーションをしていた。夫はあまりディスプレイを使わないがケーブルは持ってきていたため、ほとんどの時間私がケーブルを使うことになった。

ワーケーションを実施する際は、家やオフィスから遠い場所で長期間働くので、当たり前だが忘れ物には気を付けたい。

単に「仕事に疲れていた」訳ではなかった!
宿泊費用は素泊まりで3万2780円、温泉施設が別料金で4000円(5日間のフリーパス)。食費や交通費も含め、使用したのは1週間で5万円あまり。通常の旅行からかけ離れた金額にはならなかったので、リフレッシュしたいが、

コロナ禍であまり観光もできないし、長期間仕事も休めない……という際に、良い手段だと感じた。

実際、筆者の場合は下がっていたモチベーションが回復、ダルさを感じていた体調も改善した。こなした仕事量が増えたわけではないが、このようなヒーリングの効果を大きく実感した。

特に助かったのは、家事をする必要がなかったことだ。在宅勤務を始めたばかりの昨年春は、休憩時間に小まめに家事をしていた。しかし在宅勤務が長引くにつれ、仕事とプライベートの境界線があいまいになり、「たまっている家事をしなくては」「でも、この仕事も終わらせなくては」と常に追われているような気分になっていた。

そんな中、ワーケーションをしてみて、普段より仕事を楽しく感じた。旅先特有の気分の向上もあるだろうが、何より自分は「仕事に疲れていた」というよりも、「狭い自宅での、仕事と家事の両立に疲れていた」と気が付いた。

今、在宅勤務で疲れを感じている読者にはぜひワーケーションの検討を勧めたい。また、社員の疲れやモチベーション低下が気になる人事や総務担当者も、制度として導入を検討してみてはいかがだろうか。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする