事故前対策「許されるレベル」=武黒元副社長が反論―福島原発株主訴訟・東京地裁

東京電力福島第1原発事故で、津波対策を怠ったとして、旧経営陣5人に東電へ22兆円を支払うよう求めた株主代表訴訟の口頭弁論が20日、東京地裁(朝倉佳秀裁判長)であり、武黒一郎元副社長らの尋問が行われた。武黒氏は事故前の対策について、「許されるレベルだと思っていた」と反論した。
政府の地震調査研究推進本部は2002年、巨大津波を発生させる地震の可能性を指摘する「長期評価」を公表。東電の子会社は08年、長期評価に基づけば、従来の想定を上回る15メートル超の津波が福島第1原発の敷地を襲うと試算していた。
尋問で武黒氏は、報告を受けた後、土木学会へ3カ年にわたる津波研究を委託することにしたと説明。直ちに対策を指示することはなかったと述べた。
長期評価については「専門家の異論が多いと聞いた」などと主張し、東電では事故前、中越沖地震で停止した柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働が優先課題だったと明かした。福島第1原発で敷地を越える津波に襲われれば、リスクがあると分かっていたと答えつつ、「事故が起きるとは思わなかった」と強調した。

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