改変ウイルスで脳腫瘍治療=東大と第一三共が実用化

ヘルペスウイルスのがん治療用改変に取り組む東京大医科学研究所の藤堂具紀教授は10日、脳腫瘍の一種「悪性神経膠腫(こうしゅ)」の治療用として、厚生労働省から条件付きで製造販売が承認される見通しになったと発表した。第一三共が共同開発して昨年12月に申請し、先月の薬事・食品衛生審議会部会で認められていた。
製品名は「デリタクト注」(一般名テセルパツレブ)で、7年以内に使用患者全員を対象として安全性と有効性を再確認する。脳腫瘍では世界初のウイルス療法製品になるという。
元来は口唇ヘルペスを引き起こす「単純ヘルペスウイルス1型」だが、がん細胞だけに感染、増殖して死滅させるよう、3種類の遺伝子を改変してある。患者の抗がん免疫を強める作用もある。
藤堂教授らは悪性神経膠腫の中で最も悪性度が高く、手術後に放射線や抗がん剤による治療を行っても生存期間が短い「膠芽腫(こうがしゅ)」を対象として、2009年から臨床研究、15年から臨床試験(治験)を実施。安全性を確認し、1年後の生存率が大幅に向上する効果があった。
この改変ウイルスは他のがんにも有効とみられ、前立腺がんなどを対象とする臨床試験も行っている。

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