「はらぺこあおむし」の風刺画問題 出版元の偕成社は毎日新聞と「これからお話をする予定」

5日付の毎日新聞朝刊に人気絵本「はらぺこあおむし」をモチーフにした風刺画が掲載されたことに対し、7日、出版元である偕成社が今村正樹社長名義でコメントを発表した。
毎日新聞朝刊の風刺漫画コーナー「経世済民術」に「はらぺこIOC 食べまくる物語」と題し、「放映権」というリンゴをむさぼる、はらぺこあおむしに擬したバッハ会長やIOCメンバーの似顔絵が掲載された。また、絵本「はらぺこあおむし」の作者エリック・カールさんが5月23日に亡くなったことを受け、「エリック・カールさんを偲んで」という文字もあった。
これに対し、人気絵本「はらぺこあおむし」の出版元である偕成社のホームページには「風刺漫画のあり方について」という題名で今村社長のコメントが掲載。「風刺の意図は明らかで、その意見については表現の自由の点から異議を申し立てる筋合いではありません」と風刺画という表現方法には理解を示した上で、「『はらぺこあおむし』の出版元として強い違和感を感じざるを得ませんでした」と思いを明かした。
「はらぺこあおむし」という作品の魅力を「あおむしのどこまでも健康的な食欲と、それに共感する子どもたち自身の『食べたい、成長したい』という欲求にあると思っています」と説明し、「金銭的な利権への欲望を風刺するにはまったく不適当」とした。
また、風刺画の作者に対しては、「おそらく絵本そのものを読んでいないのでしょう。もし読んだうえでこの風刺をあえて描こうとしたのだとしたら、満腹の末に美しい蝶に変身する結末をどのように考えられたのでしょうか」と疑問を呈した。

文章の最後には「今回の風刺漫画は作者と紙面に載せた編集者双方の不勉強、センスの無さを露呈したものでした。繰り返しますが、出版に携わるものとして、表現の自由、風刺画の重要さを信じるがゆえにこうしたお粗末さを本当に残念に思います。日本を代表する新聞の一つとして猛省を求めたいと思います」と新聞社へ訴えていた。
偕成社の担当者は取材に対し、「もう毎日新聞さんとは連絡をとっていて、これからお話をする予定。あまり一方的になってしまうと、これからお越しいただくのに申し訳ないと思いますので、発表しているもの以上のことをこちらから申し伝えることは特にありません」と話した。

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