富裕層向け老人ホームが西麻布に 食事は帝国ホテルが提供

三井不動産レジデンシャル(東京都中央区)は東京都港区に富裕層向けの老人ホーム「(仮称)パークウェルステイト西麻布計画」を5月31日に着工した。三井不動産レジデンシャルウェルネスが運営し、2024年秋の開業を予定している。

三井不動産グループが培ってきた住宅・ホテル・商業施設などの開発・運営ノウハウや富裕層向けマンションを供給してきた実績を生かし、都心初となるプロジェクトを推進していく。

港区西麻布4丁目に位置し、地上36階、総居室数は421室の大規模シニアレジデンスとなっている。六本木通りに面して常緑樹を多く植栽するなど周辺環境にも配慮した。

共用空間には、ロビーやラウンジ、ライブラリーなどを設けた。居室空間は車いすの回転スペースを確保するとともに、生活リズムセンサーやカードキーによる在不在管理システムを整備。

同社の事業ノウハウが生きているのは室内だけではない。入居者が散策できる約2200平方メートルのプライベートガーデンを計画しており、ガーデンの中では自然に触れられる「ティーパビリオン」も配置した。中ではお茶や軽食も提供する。

建物内のさまざまな場所から中庭の緑を感じられる設計を意識。自然の要素をデザインに取りいれることで、人々の健康や幸福、快適性に貢献する「バイオフィリックデザイン」という考えに基づいている。

帝国ホテルが食事を提供
最上階の2層吹き抜け(約6メートル)のダイニングでは、入居者に帝国ホテルの食事を提供する。有料老人ホームとしては初めての取り組み。

贅沢な暮らしを提案するだけでなく、シニアの健康を考えた施設も備えてある。スパ・フィットネスフロアには医学的根拠に基づき水温や水深などが設定されたジェットマッサージプールをはじめ、サウナや大浴場、フィットネスルームなど多彩な設備が整う。運動プログラムの提供などシニアが健康的に生活できるような取り組みを促進していく。

また、入居者の健康管理をサポートするため建物内にクリニックも開設する。定期的な健康診断の実施だけでなく、大学病院と連携した入院対応なども行う予定。

介護サポートにも力を入れており、介護専用フロアでは24時間専任ケアスタッフが在中。東京海上日動ベターライフサービスに事業委託し、入居者を支えていく。

総務省が20年9月に発表した調査によると、65歳以上の高齢者の人数は3617万人で総人口の28.7%を占めるという。25年には国民の4分の1が高齢者になると試算されていることからもシニア市場は企業にとってビジネスチャンスが眠っていると考えられる。今後同社のように富裕層シニアをターゲットにしたビジネスが多く生まれてくるかもしれない。

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