経営の専門家や士業従事者らが紐解く「新時代の働き方」 第96回 イノベーションを起こすために、「クオンタム思考」を身につけよう!

テクノロジーが進化し、AIの導入などが現実のものとなった今、「働き方」が様変わりしてきています。終身雇用も崩れ始め、ライフプランに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。本連載では、法務・税務・起業コンサルタントのプロをはじめとする面々が、副業・複業、転職、起業、海外進出などをテーマに、「新時代の働き方」に関する情報をリレー形式で発信していきます。

今回は、書評ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大氏が、イノベーションを起こすために身に付けたい「クオンタム思考」についてご紹介します。

書評家・ビジネスプロデューサーの徳本昌大です。私は上場会社やベンチャー・スタートアップの社外取締役やアドバイザーを生業にしていますが、最近、量子コンピューターに関わる会社のアドバイザーになりました。

量子やクオンタムというワードに敏感になっているところに、元Google法人日本代表・村上憲郎氏の『クオンタム思考 テクノロジーとビジネスの未来に先回りする新しい思考法』(日経BP刊)が届きました。早速、紹介したいと思います。

「私は、日常感覚を超えた発想やアイデアに導く思考を「クオンタム思考」と呼んでいるのです」(村上憲郎)

村上憲郎氏『クオンタム思考 テクノロジーとビジネスの未来に先回りする新しい思考法』より引用

VUCAの時代を生きている私たちは、何が正解か分からずに日々過ごしています。過去の常識の延長線で物事を考えていては、新たな課題を発見できません。元Google法人日本代表の村上憲郎氏は、今までの思考法を捨て、天才たちが使っている「クオンタム思考」を身につけるとよいと述べています。

テクノロジーとビジネスの未来に先回りする新しい思考法によって、様々な課題を解決できるようになります。実際、Googleのラリー・ペイジやサーゲイ・ブリン、YouTubeのチャド・ハリー、スティーブ・チェンといった天才たちは、この思考法で次々にイノベーションを起こしてきました。

クオンタム思考には、5つの共通点があると言います。

これまで誰もが思いつかなかった、世の中を一新してしまうほどの価値を追求している
それぞれの好きなもの、自分の得意なものを追求している
「座った瞬間に知りたいことを画面に表示できる」「宇宙規模の地図をつくる」など、描くビジョンのスケールがとにかく大きい
地図がグーグル・マップになり、ARと組み合わさってゲームになったように、「何か1つを生み出して終わり」ではなく、そこからまた新たな可能性へとつなげている
結果、その成果は世界を変えるほど大きなムーブメントになっている

天才ではない私たちも、クオンタム思考を取り入れることで、問題解決力やクリエイティブな才能を育めるようになります。発想に限界を設けないこと、より大きな視点で物事を見ることで、私たちは様々な課題を解決できるようになります。

『「クオンタム思考」というのは、意識的につくり上げられた質のよい(量子分野を含んだ)フレーム・オブ・リファレンスを土台として、その上に築かれる思考、ということになります』

村上憲郎氏『クオンタム思考 テクノロジーとビジネスの未来に先回りする新しい思考法』より引用

村上氏はサラリーマン時代に「一知半解」でよいと考え、年間200冊の本を読み、1500冊の様々なジャンルを8年間で読破します。大量に本を読むことで、分野ごとの共通点や関連性が見えてくるようになり、脳内に質の高いフレーム・オブ・リファレンスを形成できたと言います。大量の知識をインプットし、知識を体系化することで、新しいアイデアを生み出せるようになります。私も同じように大量に読書をしますが、このインプットのおかげで、クライアントの課題を解決できるようになったので、このメソッドはおすすめです。

フレーム・オブ・リファレンスを形成することで、多様な分野の課題を解決できるようになります。幅広い知識によって、いくつもの引き出しからアイデアを出せ、それを組み合わせることで、問題を解決できるのです。広い視野で物事に触れ、本質を感じ取り、知の参照体系を築くことで、他者とは異なる解決策を生み出せます。

著者はフレーム・オブ・リファレンスを豊かにする方法も紹介しています。

書籍・動画などのインプット
リベラルアーツを学ぶ
量子力学分野を学ぶ
英語を身につける
社会人の基礎教養として財務3表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)と契約書を読めるようにする

「量子力学が描き出す世界が、これまでの日常感覚とは根本的に異なるものであり、かつこれから世の中を変えていく技術のなかでも最先端に位置しているものであるからです」

村上憲郎氏『クオンタム思考 テクノロジーとビジネスの未来に先回りする新しい思考法』より引用

未来から逆算し、視野を広げることで、新しいアイデアが生まれます。その際、フレーム・オブ・リファレンスに、日常感覚を超えた量子の振る舞いを描き出す「量子力学」の分野を加えることで、よりアイデアに磨きがかかります。

今後、量子コンピュータが登場すると、「できること・できないこと」の基準が大きく変わります。つまり、既存のソフトウェアが置き換わる可能性があるのです。量子力学を活用することで、イノベーションを起こせるようになります。

本書は、量子力学や量子コンピュータの知識の重要性を認識できる一冊です。読書の幅を広げ、自分のフレーム・オブ・リファレンスを進化させたくなりました。

参考書籍
『クオンタム思考 テクノロジーとビジネスの未来に先回りする新しい思考法』

著者:村上憲郎
出版社:日経BP

徳本昌大 とくもと 書評ブロガー・ビジネスプロデューサー 複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在は、ベンチャー企業の取締役や顧問として活躍中。インバウンド・海外進出支援サービスなどを提供するEwil Japan取締役COO、IoT・システム開発のビズライト・テクノロジー 取締役、みらいチャレンジ ファウンダー、他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数。書評家としても活動中。 この著者の記事一覧はこちら

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