子どもが大きくなったら家が狭すぎた! どんな選択肢がある?

とにかくマイホームが欲しくて、とりあえずその時の資金で可能な範囲の住まいを購入してしまったら、いざ子どもが大きくなってみると、住み心地の悪さを感じてきたという方もあると思います。また、当初から住み替えを想定しているケースでも、住み始めて子どもも成長していくと、当初想定したとは別の考えや問題点も浮かび上がってきているかもしれません。

子どもが大きくなって手狭になった住まいについて、そこからどのような選択肢が考えられるでしょうか。
狭さの度合いも、家族環境もさまざま
狭さの度合いも、家族環境も、それこそ家族の数ほど違いがあるでしょう。「2人の予定だったが、子どもが3人になった」「子どもが男子と女子で、成長につれて部屋が2つ必要になった」「習い事(ピアノ・絵画など)で、物理的に広い部屋が必要となった」などさまざまです。

下記の住み替えの選択肢は単純に、現在の住まいを「売却する」「賃貸にする」「住み続ける」の3つのそれぞれに、新しい住まいは賃貸にするか、新規購入するかの選択肢を表にしたものです。それぞれに異なるメリットやハードルがあります。その他の例として、2拠点居住のように、都市部の住まいは手狭でも、週末は近郊の田園地帯や田舎で伸び伸び過ごすなどのケースを想定してみてください。

どの選択肢が自分たち家族にとって最適なのかを考える上での検討事項の例を挙げてみました。その他にも、その家族独自のものがあるでしょう。

当面の問題解決だけでなく、老後まで見据えて考える
そもそも子どもが大きくなれば手狭になることは想像できたはずです。わずか10年程度先の未来だったはずです。これから住まいについて考える際には、もっと先々まで想像力を働かせて、最善の選択肢を見つけましょう。

これから先の方が長いはずで、できれば自分たちの老後まで想定してみます。現在の住まいであろうと住み替えようと、死ぬまで自宅で過ごしたいと考えていても、年を取って身の回りのことが不自由になれば、老人ホームでの生活も余儀なくされるかもしれません。先々、「こんなはずではなかったと」とならないように、先々まで想像力を働かせて考えてみましょう。
狭い部屋でも工夫次第! カスタマイズして住み続ける選択もあり
「ウサギ小屋」と言われた日本の住まいも、最近はだいぶ広くなってきました。江戸時代は9尺2間の長屋が庶民の住まいでした。つまり6畳のスペースに台所兼玄関があるので、実質は4.5畳の居室に親子が暮らしていたことになります。だから子どもが今の中学入学年齢程度になると、奉公のために親元を離れます。

子どもが親元にいるのはごくわずかです。狭いと思われる住まいでも、工夫によっては住み続けられるケースがあるはずなのです。もともと子ども部屋はベッドと机だけあればよいというのが私の考えです。重大な犯罪を起こした子どもの住まい環境の研究によると、親から隔離された閉じこもり状況が浮かび上がります。狭くても家族が寄り添う暮らしの方が子どもは健全に育つようです。また、現代は親も勉強が必要な時代で、家族のスタディルームがあれば、子ども室に机もさほど必要なくなるかもしれません。

6畳程度のスペースでも二つに区切って個室を二つ作ることはできないわけではありません。上段がベッドでその下に勉強机などが組み込まれている家具もあります。簡易間仕切りで区切れば、簡単に元の一つの部屋に戻すこともできます。またリビングにソファーセット、ダイニングにはダイニングセットがあるのであれば、ダイニング兼用のソファに買換えて、余ったスペースを家族のスタディルームにするなど、工夫はいろいろ可能なのです。

もし、モノが多くて狭いのであれば、まずは断捨離を徹底してみて下さい。個室は狭くても、リビングがすっきりしていれば、だいぶ気持ちのゆとり度が違います。
子どもの故郷は一生もの!
これからの時代、一つの会社で生涯を通すケースは、次第に少なくなっていくでしょう。他の地方の企業に移るということもあるかもしれません。職場に合わせて身軽に移転できる賃貸生活がベストという考え方もあります。しかし、子どもには故郷が必要だと思っています。転居する際に子どもの学区内で住み替え場所を考える方は多いと思いますが、住まい選びは大人の都合だけでなく、子どもの故郷選びでもあることを、もっと重要視すべきだと常々思っています。

私も親が転勤族で、私は高校から寮生活でした。そのために故郷というものがありません。小学校の半分と中学、大学の3/4の約10年間を過ごした世田谷区が最も愛着があります。現在の住まいは30年以上住んでいますが、子どもの頃に過ごしたエリアの方が愛着を感じるので、子ども時代に過ごす地域選びは大切だと思っています。

佐藤章子 さとうあきこ 一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。 この著者の記事一覧はこちら

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