消えたワクチン5000万回分はどこに!? 日本とEUで認識に齟齬…

国内の新型コロナウイルスのワクチン接種が遅々として進まない中、「消えた5000万回分のワクチン」が大きな話題となっている。
これは米ブルームバーグが4月22日に「EU(欧州連合)は1月31日から4月19日にかけて日本へ約5230万回分のワクチンを輸出した」と報じたことがきっかけ。この時点で、首相官邸のHPでは、4月23日時点でワクチン1回目を接種した医療従事者は約176万人。2回目まで終えているのは約88万人。65歳以上の高齢者で1回目を終えたのが約7万5000人とされていた。
つまり、接種に使われたワクチンは約270万回分で、EUから輸出されたとする約5230万回分から差し引くと約4960万回分のワクチンが“消えた”ことになる。
4月26日の駐日欧州連合代表部の公式ツイッターでは、「新型コロナワクチンは4月19日までに43の国や地域に1.36億回分が輸出され、これには日本向け5,230万回分も含まれる」と明記されている。
これに対して、河野太郎ワクチン担当相は27日、自身のツイッターに「把握している情報と違う」「駐日欧州連合代表部のアカウントのトップに固定されているこのツイートは誤りです。はやく直してね。」などと発言し、EUの情報を否定した。
ところが、4月29日にはEUが1月30日~4月27日の承認状況について、44カ国・地域に1億4800万回分の出荷を承認し、日本が5230万回分となっていることを発表した。

河野ワクチン担当相は、「日本に届いているのは、ファイザー製ワクチン約2800万回分」という説明を繰り返したが、4月30日に駐日欧州連合代表部が「1月30日から4月27日までに、EU加盟国から日本への輸出が承認された新型コロナワクチンは、およそ5230万回分である。なお、出荷については各ワクチン製造会社の責任の下で行われる」とツイッターに追加すると、「素早い対応ありがとうございます」と自身のツイッターに書き込み、“矛先を納めた”。
EUは新型コロナウイルスのワクチンを製造している製薬会社に対し、域内で製造したワクチンの出荷計画を事前に申告し、許可を得るよう義務付けている。このため、EUとの間ワクチンの輸出契約を獲得することが必要で、ワクチンを製造していない各国の間で獲得合戦が展開されている。
それにしても、何故、日本政府とEUという政府機関でこれだけの食い違いが発生しているのか。
そもそも、EUは4月26日の駐日欧州連合代表部のツイッターで、「4月19日までに1.36億回分が“輸出”され、これには日本向け5230万回分が含まれる」としている。
ところが、4月29日にEUが発表したのは、「1億4800万回分の出荷を“承認”し、日本が5230万回分」というもので、駐日欧州連合代表部4月30日のツイートも、「EU加盟国から日本への輸出が“承認”された」となっている。
つまり、輸出が“承認”されたワクチンは5230万回分であり、それが出荷され、すべてが日本に届いているのかは“明らかにされていない”のだ。

EU、駐日欧州連合代表部が「輸出した」と公表したことは軽率の誹りを免れないものだが、日本政府・河野ワクチン担当相も「承認を受けているのが5230万回分であり、そのうち、日本に届いているのは何万回分」と、正確な情報を開示すれば問題がなかったはずだ。
4月30日には、米モデルナ製の新型コロナウイルスのワクチンが日本に届いているが、どの程度の接種回数分なのかは明らかにされていない。ワクチンがどの程度確保できており、どの程度届いていて、どの程度の在庫を抱えているのか、政府は少なくとも、この程度の情報は正確に把握し、即答できるようにしておくべきだろう。
ワクチンが確保できていないのか、それとも届いていないのか、あるいは接種体制が整っていないのか。いずれにしても日本は新型コロナウイルスのワクチン接種“後進国”となっていることは確かだ。

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