既存3薬剤が新型コロナなどの感染を抑制 iPS細胞実験で

京都大iPS細胞研究所などの研究チームは、ウイルスに感染させたヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)に既存薬500種類を投与したところ、骨粗しょう症治療薬「ラロキシフェン」など3種類に新型コロナウイルスを含むRNAウイルスの感染を抑制する効果があったと発表した。論文が7日、欧州の科学誌「フェブス・オープン・バイオ」電子版に掲載された。
実際の治療で効果があるかは臨床試験で確認が必要だが、研究チームは新たなウイルス治療薬の開発に役立つとしている。
研究チームはまず、遺伝子治療研究などに使われる「センダイウイルス」をiPS細胞に感染させ、米食品医薬品局(FDA)が承認する500種類の薬剤を投与した。その結果、ラロキシフェンのほか、新型コロナ治療薬として日本でも承認済みの「レムデシビル」や糖尿病治療薬「ピオグリタゾン」など6種類で感染が抑えられた。
次に、この6種類をエボラウイルスに感染させたヒトの肝臓由来細胞と、新型コロナに感染させたアフリカミドリザルの腎臓由来細胞に対してそれぞれ投与。すると、ラロキシフェンとレムデシビルはエボラとコロナ両方、ピオグリタゾンはコロナに対し抗ウイルス作用が見られた。
同研究所の井上治久教授は「複数のRNAウイルスに共通して作用する薬剤があれば、新たに出現する感染症に対しても有効である可能性があるのではないか」と話す。

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