夜に訪れた寺院、青く光る謎の物体が… 国境を越えた「粋な計らい」に思わず感動

学校や病院、寺院などの施設は、夜に訪れると途端に薄気味悪く感じられるもの。怪談やホラー映画の舞台となりがちなのも、頷けることだろう。近ごろ埼玉県・川越市の、とある仏教系寺院を夜訪れると何やら「青い光」が見られることをご存知だろうか。
画像をもっと見る■実際に現地へ行ってみると…話題を呼んでいるのは、川越市小ヶ谷にある天台宗寺院・最明寺。鎌倉幕府第5代執権・北条時頼によって建立され、750年もの歴史を持つ寺院である。夜に訪れた寺院、青く光る謎の物体が… 国境を越えた「粋な計…の画像はこちら >>そんな最明寺だが、近ごろツイッター上には多数のユーザーがこちらで撮影した「青く光る物体」の写真が多数確認されているのだ。この目で確かめてみよう…と実際に最明寺を訪れたところ、遠目からでも分かる青い光を発見。
関連記事:『鬼滅の刃』愛が熱烈な川越市の寺院 ついにガチの伊之助も遊びにやって来た■予想以上にビッグサイズの光寺で青く光るもの…と言えば、ついつい人魂を連想してしまうのは記者だけではないだろう。現地を訪れたのは18時半ごろだが、周りに明かりは少ないため、実際の時刻以上に暗く感じられる。

ぶっちゃけ今すぐにでも回れ右をしたい気持ちを押さえつけ、光の元へ近づいていくと予想以上に大きい光であることが判明。そう、こちらは光が浮遊しているわけでなく、最明寺の本堂が青くライトアップされていたのだ。

ではなぜ、寺がこのようなムーディーな空間へと変身してしまったのか。じつはこちらのライトアップは、同寺院のなんとも粋な計らいによって催されたものだったのだ。

■明かりが点いたその日は…同寺院の副住職を務める千田明寛氏に詳しい話を聞いたところ、こちらのライトアップが始まったのは4月2日からのこと。じつはこの日は自閉症の啓発を目的とした記念日である「世界自閉症啓発デー」に当たる。「癒し」や「希望」などを表すブルーは自閉症のシンボルカラーとして認知されているため、この日は青いものを身につけたり、最明寺のように施設をライトアップする…といった形で自閉症の啓発が行われているのだ。こちらはもちろん日本に限った話でなく、世界各国でこういった取り組みが推進されている。
■「仏教」の枠を超えた最明寺の活動最明寺は今回のライトアップのほか、日本の寺院ではとても珍しい同性結婚式(LGBTQ Wedding)が挙げられるなど、マイノリティの人々に寄り添った数々の取り組みで注目を集めている。

また仏教には無関係なはずのクリスマスシーズンには、困窮家庭の子供たちを支援する「おてらおやつクラブ」の活動として、クリスマスお菓子を募集し、支援者には最明寺オリジナルのブラックサンダーを贈呈…といった活動も実施。

仏教系寺院としては変わった活動が目立つが、こちらの背景について尋ねてみると、千田氏がかつてインドの寺院に留学したときの経験が礎となっているそう。千田氏は「インドのお寺に留学していた頃は、もちろんクリスマスはありませんでした。お祝いをしたら白い目で見られる…といった感じでしたね」「外国人の方々から見たら奇異に映るかもしれませんが、日本の仏教には独自の緩さがあって、だからこそ日本でしかできないことがあると感じました」と、当時の様子を振り返っている。

「本来仏教とクリスマスは無縁であるが、子供たちにとってはお祝いをしたい特別な日」であることを尊重し、クリスマスお菓子を集め始めたという。取材当日はLGBTの象徴でもある「レインボーフラッグ」柄の袈裟を身に纏った千田氏は、日本の仏教ならではの柔軟性について、熱く語ってくれた。
■現在はアートを多数展示中

またライトアップが始まったのと時を同じくし、同院では現在、自閉症の人々が作成したアートの展示もしている。

こちらは障害者の芸術創作を支援するNPO法人「あいアイ」という美術館とのコラボとなり、8日まで展覧が可能。

またブルーライトも8日まで継続する予定で、こちらの明かりが灯るのは18時から22時にかけてのことなので、期間内に是非こちらの幻想的な空間に足を運んでみてほしい。 (取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)

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