JALのコロナ対策は盤石!? 宣言解除直後に搭乗 メリハリある衛生策が各所に 一方課題も?

新型コロナ感染拡大の影響で再発出された緊急事態宣言が3月22日に解除されましたが、その初日のJAL機はどのような様子だったのでしょうか。実際にJAL便に乗りその様子を取材。対策が各所に施された「VSコロナ」仕様の機内ですが、まだ課題もあるようです。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、国内航空会社の飛行機の乗り方が大きな変化を遂げてから、1年近い時間が過ぎようとしています。
2021年3月21日(日)いっぱいで、東京を含む1都3県へ再発令されていた緊急事態宣言が解除。JALでは解除初日の22日の国内線予約者数は、約4.5万人だったそうです。これは宣言下の15日(月)とくらべ、1万人の増加といいます。
もちろんこの人数は、コロナ禍以前には遠く及びませんが、宣言解除で「どこかに行きたい」「行かなければいけない」という人が宣言下に比べ、これまでよりは乗りやすくなったことはもちろん、「旅客機がコロナに比較的強い交通手段であり、航空会社も対策をきちんと講じている」という認識が広がったことも一因と言えるでしょう。
JALのコロナ対策は盤石!? 宣言解除直後に搭乗 メリハリある衛…の画像はこちら >>3月22日にJL509便を担当したエアバスA350-900「JA08XJ」(2021年3月22日、乗りものニュース編集部撮影)。
22日、実際にJAL便に搭乗。2021年3月時点ではどのような新型コロナ対策が講じられているのか、取材してきました。

JALの対策は、乗る前から始まっています。国内航空会社でもはや一般的になりつつある、係員や乗客のマスク着用、カウンターの仕切り板設置、空港での消毒液配備などはもちろんのこと、羽田空港の自動チェックイン機や手荷物預け機に、タッチパネルに直接触れずとも操作できる仕様のものを導入(今後は国内の基幹空港を中心に順次展開予定)。このほか、空港設備に抗ウイルスコーティングを施す措置も、羽田を中心に広がっています。
また他の取り組みとして、JMB(JALマイレージバンク)会員の国内線搭乗予定の旅客を対象に、2000円という値段で、自宅でPCR検査を受診できる体制が整えられています。これは手頃な価格はもちろんのこと、提携病院のにしたんクリニック(東京都渋谷区)に検体が到着してから、数時間で結果が出るスピード感も大きなポイントです。
3月22日に搭乗したのは、羽田発新千歳行きのJL509便。使用する飛行機は3クラスで計369席を搭載するエアバスA350-900型機です。このタイプはJALが新世代の国内線主力機として2019年から導入したもので、全席にシートモニターとUSBポート、電源コンセントを備えるなど、充実した座席設備が特徴です。今回同便を担当したのは、この8号機。2020年12月に導入されたばかりの非常に真新しい機体です。
混雑による密集を避けるため、いくつかのグループにわかれて搭乗。搭乗橋には、手でプッシュせずに、かざすだけで液が射出されるタイプの消毒液が置かれています。

JMB会員を対象に実施されている「PCR検査サービス」の検査キット(2021年3月17日、乗りものニュース編集部撮影)。
JALは比較的、乗客に対して極力コロナ禍以前のサービスクオリティを維持したまま、衛生対策を向上させようというスタイルといえるでしょう。機内誌も座席ポケットに備わり、ドリンクサービスもコーヒーやスープ、コーラやJALのオリジナルドリンク「スカイタイム」など、平時を彷彿とさせるようなラインナップとなっています。一方で、ファーストクラスなどで出る食事などは、個包装のものを採用するなどのメリハリが見られます。
なお、サービスを行うCA(客室乗務員)は利用者の安心感向上のため、マスク、手袋はもちろんのこと、ドリンク提供時にはセーフティグラスを着用しサービスを提供していました。ちなみに、CAはフライトを通して手袋を着用していますが、ドリンクサービス前には新しいものに交換しているのもポイントです。
また、国内線機材では、夜間駐機時に機内の消毒が実施されていますが、それに加えフライト中も、不定期で不特定多数の人が使う化粧室の清掃をCAが行います。このときCAは防護服を着用。搭乗取材では気流の関係からベルトサインが消えている時間が短かったため、フライト後に撮影しましたが、便座周りやドアはもちろんのこと、鏡や床にいたるまで徹底的に清掃するシーンが見られました。

ちなみに、JALの鳥取三津子客室本部長は2020年9月に「JALは、かねてから機内のトイレの清潔性についてはこだわりがある」とコメントしており、同社の化粧室へのこだわりが、そのまま高いコロナ対策にもつながっているともいえるでしょう。
羽田発新千歳行きJL509便の搭乗口の様子(2021年3月22日、乗りものニュース編集部撮影)。
22日に搭乗取材を実施したJL509便の乗客数は258人、折返しとなるJL508便は339人でした。ともに、比較的私服の人が多かった便でしたが、かつてのように機内で大きな声で話す人もほぼいない状況に見えました。
両便とも各空港に到着後は、列を作ることによる密集をさけるべく、飛行機の前側にあるファーストクラス、クラスJの乗客を先に下ろし、後方の普通席の乗客は「荷物を取り出さず、座ったまま指示があるまで待機するように」といったアナウンスが流れます。
A350-900を手掛けるエアバスの日本支社、エアバス・ジャパンのステファン・ジヌー代表取締役社長は2020年5月、「飛行機から降りるとき、早く降りたいとの思いからすぐに立ち上がり、降機を待つお客さまがいるが、これはリスクが高まる。前方から徐々に順序よく降りるようにすれば、より一層安全性が高まる」と取材に対し答えており、JALのこの工夫もこれと合致します。
ただ、一部には、その指示に反して以前のように列を作る人もいたのも事実です。この降機方法が、マスク着用やこまめな手指消毒のように広く定着するには、もう少し時間を要するのかもしれません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする