【前編】仕事を”好き”でいるために – プロゴルファー仲宗根選手が実践する「ポジティブシンキング」の流儀

その道のプロフェッショナルにとって、「”好き”を仕事にすること」の意義とはどのようなものなのでしょうか?

2015年からプロゴルファーとして活動する仲宗根澄香選手は、2019年にステップ・アップ・ツアーの最小スコア記録を更新して優勝。現在は世界ランクで200位以内に入るなど、今後の活躍が期待される注目株です。

「ゴルフが大好き」「ゴルフ以外の趣味がない」と語る彼女は、日々どんな気持ちで仕事=ゴルフと向き合っているのでしょう。今回は”好き”を仕事にした仲宗根選手に、ゴルフへ賭ける思いをうかがいました。

プロゴルファーを目指したのはいつから?
――まず、仲宗根選手の経歴や今の仕事に就かれた経緯を教えてください。

ゴルフを始めたのは小学校5年生の頃です。父の趣味でゴルフ場について行ったのがキッカケで、そこのジュニアスクールに入りました。プロを目指す子しか入らないようなスクールだったのですが、私も最初はよく考えず、周りに合わせるようにして「プロになりたいです!」って言っていました。

――最初からプロを目指すと強く意識していたわけではなかったんですね。

そうですね。とにかく、同世代の友達と一緒に練習するのが楽しかったんです。もちろん、練習後や休憩中に友達とお喋りするのが楽しかったというのもあります。でも、そうやって仲間たちとお互いに高め合っているうちに、気付けば真剣にプロを目指していました。

――「ゴルフは裕福な人が嗜むスポーツ」というイメージもありますが、仲宗根選手のご家庭はいかがだったのでしょう?

実は、私の家は決して裕福ではなかったんです。確かに裕福な家庭の子もいて、着ている服も私とは全然違うんです(笑)。でも、それも「いつか私もいい服を着られるように頑張ろう!」「いっぱい賞金を稼げるように頑張ろう!」とバネに変えました。むしろ、お金がないのにゴルフをさせてくれた両親に恩返しもしたいですし、それが今のモチベーションにもなっています。

プロテスト失敗後も「諦める選択肢はなかった」
――プロを意識し始めたのはいつ頃ですか?

中学、高校くらいからプロを目標にして過ごしていました。いろんな大会や試合にも出て、放課後はスクールで毎日練習。高校卒業後はプロテストを受けたのですが、なかなか試験に通らず、ゴルフ場でキャリーのアルバイトをしながら空いた時間でゴルフ漬け。そんな生活を続けながら5度目のプロテストでようやく合格して、今に至っています。

――高校時代などは特に遊びたい盛りですが、そういう誘惑はありませんでしたか?

確かに、遊びたいという気持ちもありました。でも、ゴルフが純粋に楽しかったのと、私が通っていたのが県立高校なのに部活に力を入れている学校だったので、クラスの友達たちも一生懸命部活に取り組んでいた子が多かったんですよね。おかげで、遊びに引っ張られずに済みました。

――4度プロテストに失敗して、諦めようと思ったことは?

ありません。プロになりたいという思いが強かったし、子どもの頃からゴルフを仕事にしたいと考えながら練習してきたので、諦めるという選択肢はありませんでした。テストに落ちても、「まだやり切っていない!」と感じていたので、受かるまでひたすら挑みましたね。まぁ、ゴルフ以外のことが何もできないというのもありますけど(笑)。

一番嬉しかったのは「私以上にみんなが喜んでくれたこと」
――ゴルフ漬けの生活が嫌になることはありませんか?

うーん……。ないこともないですが、「もう放り投げたい!」と本気で思ったことは一度もありません。上手くいかずに嫌になったりもしますけど、やっぱりゴルフが好きっていう思いが一番大きいので。

――ゴルフのどういうところが好きなのでしょう?

ゴルフというスポーツは、ほとんど上手くいくことがないんです。ボーリングとかであればMAXのスコアが決まっていますが、ゴルフにはMAXがありません。失敗を最小限にするスポーツなので、終わりというものがないんです。だからなかなか満足することもないのですが、そこに魅力を感じますね。

――この仕事で一番嬉しかったエピソードを教えてください。

最近思うのが、ずっとゴルフが上手くなりたい、ゴルフでお金を稼ぎたい、という思いで努力してきたはずだったのに、それだけじゃなかったんだということですね。

ステップ・アップ・ツアーのとき、私は「みんなに良い報告をしたい」「恩返ししたい」という気持ちで試合に臨んでいたのに、いざ優勝すると私以上に周りのみんなが喜んで、「感動をありがとう!」って言ってくれたんです。感謝したいのは私のほうだし、まさかそんな言葉をかけてもらえるとは思っていなくて。あのときは、改めてスポーツ選手って、プロゴルファーって素晴らしい仕事だなと感じました。

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