生活保護費減額は違法=13~15年分を取り消し―受給者初の勝訴・大阪地裁

2013年から15年にかけての生活保護基準の引き下げは生存権を保障した憲法に違反しているなどとして、大阪府の受給者ら約40人が国と府内12市に処分の取り消しと1人1万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、大阪地裁であった。森鍵一裁判長は減額処分を「裁量権の逸脱があり、生活保護法の規定に違反している」と判断し、取り消す判決を言い渡した。
原告側弁護団によると、全国約30地裁で起こされた同種訴訟の2例目の判決で、受給者側の請求を認めた判断は初めて。
国は13年以降の3年間に、デフレによる物価下落を反映させるなどした結果、食費などに充てる生活扶助費の基準額を平均6.5%、最大10%減額した。制度創設以来、最も大きな引き下げ幅で、年間の削減額は約670億円に上った。
判決で森鍵裁判長は、政府は石油製品や食料などが大幅に値上がりした08年を起点に、その後の3年間の物価下落率を反映させたと指摘。「特異な物価上昇が織り込まれて下落率が大きくなることは明らかだ」と述べた。
また、物価下落率算出の根拠とされた厚生労働省の指数には、生活保護受給世帯の支出割合が低いテレビやパソコンなど、教養娯楽用製品の大幅な値下がりが反映されていたと言及。「消費者物価指数よりも著しく大きい下落率を基に改定率を決めており、統計などの客観的な数値との合理的関連性を欠いた」と判断した。
その上で、「最低限度の生活の具体化についての判断に誤りがあると言わざるを得ず、裁量権の範囲の逸脱か乱用がある」と結論付けた。憲法判断は示さず、国への賠償請求は退けた。
一連の訴訟で最初に出された昨年6月の名古屋地裁判決は、政府の判断に過誤はなかったとして受給者側の訴えを退けていた。
厚生労働省保護課の話 判決の内容を精査し、関係省庁や自治体と協議の上、今後の対応を検討したい。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする