六代目山口組VS神戸山口組 抗争長期化による“血の代償”

六代目山口組VS神戸山口組 抗争長期化による“血の代償”の画像はこちら >>六代目山口組VS神戸山口組抗争長期化による“血の代償” (C)週刊実話Web
六代目山口組(司忍組長)と神戸山口組(井上邦雄組長)の分裂問題は、依然として決着が見えない状況だ。平成27年10月に起きた長野県での射殺事件によって抗争が幕を開け、複数の犠牲者が出る事態に発展。しかし現在、再び両者は膠着状態に陥っている。

「六代目側は武力でプレッシャーを掛け続け、それが神戸側の戦力ダウンに繋がった。最終的には菱の統合が目的ではあるが、勢力が縮小したといえど神戸側は徹底抗戦の構えを崩しておらず、山一抗争のときのような無条件降伏での終結は、なかなか難しいのではないか」(業界ジャーナリスト)

井上組長の意思次第ともいえるが、分裂の首謀者である5人のうち、池田孝志・池田組組長(岡山)は昨年7月に神戸山口組を脱退し、独立組織となった。正木年男・元正木組組長も引退し、井上組長を含む寺岡修若頭(友会会長=兵庫淡路)、入江禎副組長(二代目宅見組組長=大阪中央)の3人に減った。

「当時、神戸内部で方針の違いがあったのではないかとも囁かれた。それでも、井上組長は『最後まで戦い続ける』と近しい関係者に決意表明したと聞く。武力行使に打って出るのではなく、存続すること自体が六代目側への報復だと考えているのかもしれない」(同)

六代目山口組が2月1日に発表した執行部を含む新人事は、さらなる体制強化が目的とみられ、膠着状態の中にあって次なる攻撃を暗示していた。

「対立事件によって自身も服役した秋良東力若頭補佐(秋良連合会会長=大阪浪速)と、宮崎県内で池田組勢と対峙してきた生野靖道若頭補佐(四代目石井一家総長=大分)が執行部に昇格しとるから、さらに攻めの姿勢を強めたと思うたで」(ベテラン記者)

反面、ある関西の組織関係者は新人事について、こう見解を示す。
終結を急ぐ六代目山口組だが…
「高木康男・六代目清水一家総長(静岡)と野村孝・三代目一会会長(大阪北)が、若頭補佐から舎弟に直ったのは、慰労の意味やったと思うで。2人が直ったことに付随して、秋良若頭補佐と生野若頭補佐を執行部に投入し、体制を固め直したと。司六代目は終生、山口組として生きるいう決意やと聞くから、自身の代で分裂問題を終わらせるのを大前提に、歴代組長から受け継いだ山口組を盤石のものとし、リーダーシップを発揮していくはずや。その意を汲んどるからこそ、髙山清司若頭かて持病を押してでも、〝指揮官〟としての役割を精力的にこなしとるんやろ」

一昨年10月に髙山若頭が出所して以降、六代目山口組は明らかに攻勢を強めた。出所直後の11月、神戸山口組・清崎達也幹部(四代目大門会会長=熊本)への刺傷事件が起き、その1週間後には青木和重若頭補佐(五龍会会長=北海道)の本拠が襲撃された。さらに、11月27日には古川恵一幹部が射殺され、昨年11月には古川幹部から古川組を継承していた仲村石松若頭補佐(三代目古川組組長=兵庫尼崎)が撃たれる事件も発生。神戸山口組直参への直接的な攻撃が頻発したのだ。

ところが、昨年12月に三代目熊本組(藤原健治組長=岡山)・横森啓一若頭の拠点への銃撃事件以降は、沈黙が続いている。

「山一抗争の頃とは違って取り締まりが厳しくなり、法の厳罰化も著しい。当時のように一気に畳み掛けるには、相当のリスクがある。だからこそ、神戸側の反応を見て仕掛けているように思える。一昨年には天皇即位という国家的な行事もあり、その最中にドンパチは自粛していた。昨年からは新型コロナという想定外のこともあって、六代目側にとっては攻め切れない状況なのではないか」(前出・業界ジャーナリスト)

今年7月には東京オリンピックの開催が予定され、再び自粛ムードとなる可能性もある。終結を急ぐ六代目山口組だが、抗争の長期化は否めず、政治面での動きもうかがえた。
特定抗争指定による組織活動への影響
「京都の名門・会津小鉄会の一本化は、山口組の分裂問題にも関係していくだろう。同じ七代目会津小鉄会を名乗って神戸寄りの金子利典会長派と、六代目寄りの原田昇会長派に分かれていたのが、統合によって髙山若頭が後見人に立つ。これは、業界的には会津小鉄会が神戸側との関係を断つのに等しく、外堀を埋めていく作戦とみている。直近では、引退した会津小鉄会の馬場美次元総裁が六代目側を訪れたと聞く」(同)

これに対し、神戸山口組は静観を続けている。

「神戸側の存続に直接、関わるような話ではないからね。他組織が間に入るような状況でもないし、完全に終結を迎えるには時間がかかるだろう」(他団体幹部)

抗争の長期化は、双方に新たなリスクが生じかねないという。

「当時は神戸山口組傘下だった五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)の組員2人が射殺された事件(一昨年10月)によって、兵庫県警は〝伝家の宝刀〟を抜いて、事務所使用制限の仮命令を出した。警察が本腰を入れて抗争抑止に動いたわけで、その後、特定抗争指定になり、六代目側も総本部や三代目弘道会(竹内照明会長=愛知)本部などが使用禁止となった。指定は市民に危害が及ばないための規制であるから、このまま抗争が終結しない場合は、新たな手段も考えられる。暴追センターによる代理訴訟での事務所使用禁止なんかは、警察主導といわれる」(山口組ウオッチャー)

肝心の両山口組の今後については、最悪の場合、〝血の代償〟を支払う事態も想定されるという。

「すでに神戸側からは複数の死者が出ている。山健組系組員らが射殺された事件では、ヒットマンは中田組長を狙っていたのではないかといわれたほどで、本当の警告の意味があったのかもしれない。長期化すれば、六代目側とて手段を選ばない可能性もある。特定抗争指定によって厳しい制限が続き、組織の活動にも影響が出ているのは事実だ。六代目側が沈黙を破って決戦に持ち込むことも考えられるが、神戸側は持久戦への構えを崩さないだろう」(同)
長期化によってさらに緊張が高まる可能性も…
膠着状態から再び抗争が激化することも考えられ、不穏な空気が漂っている。

その一方で、六代目山口組は2月11日付で川合康允舎弟(川合組組長=岐阜)の顧問就任を発表した。

「川合顧問は現在の直系組長の中で、唯一、田岡一雄三代目から盃を受けた古参や。竹中正久四代目、渡辺芳則五代目、司六代目と世代を経て、山口組直参としてのキャリアは実に40年以上にも及ぶで。激動の時代を駆け抜けた重鎮だからこそ、今回、顧問への就任が決定したんやろ」(地元記者)

また、髙山若頭が後見する六代目山口組の親戚団体・四代目福博会(福岡)の金城國泰会長が誕生日を迎え、2月10日には最高幹部らが誕生祝いに駆け付けた。福博会本部の2階大広間には、前日までに司六代目から贈られた紅白の胡蝶蘭が飾られ、六代目山口組の青山千尋舎弟頭(二代目伊豆組組長=福岡)、新たに九州ブロック長に就いた生野若頭補佐、直参の一ノ宮敏彰・一道会会長(福岡)が訪問。金城会長は昨年6月に長岡寅夫前会長の跡目を継承して四代目会長に就任。今回が初めての誕生祝いであり、六代目山口組からの訪問を受けて終始、穏やかな雰囲気を漂わせていた。

対する神戸山口組では、特定抗争指定の警戒区域内で集結したとして、先月下旬に逮捕された熊本組・横森若頭らが、2月11日までに釈放されていた。

「暴対法違反(多数集合)の罪で、横森若頭に対して罰金50万円の略式命令が出され、組員ら12人は不起訴処分となりました。横森若頭たちは、食事をするために集まった飲食店が区域の岡山市ではなく、当時はまだ指定されていなかった倉敷市内だと認識しており、取り調べでも故意ではなかったとされたのでしょう」(全国紙社会部記者)

1月22日には倉敷市も警戒区域となり、さらに規制が強まっている。

平成から令和にかけて続く山口組の分裂抗争は、長期化によってさらに緊張が高まる可能性もある。平行線をたどる双方の方針が、今後の戦局を左右しかねず、不気味な沈黙が続く。

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