レジェンドが語る「GT-R」対「フェアレディZ」

日産自動車を代表するスポーツカーの「GT-R」と「フェアレディZ」。優劣のつけがたい2台だが、日産の「2021年日産モータースポーツファンイベント」で「GT-RvsZ」というプログラムを発見したので、オンライン配信をチェックした。永遠のライバル関係に終止符は打たれるのか?

レジェンドが語る「GT-R」と「Z」の魅力
シーズンインを目前に控えるこの時期、例年であれば日産グローバル本社ギャラリーに多くのモーターファンが駆けつける「日産モータースポーツファンイベント」だが、今年は無観客開催&日産公式YouTubeチャンネルでの配信となった。注目のトークセッション「GT-RvsZ」は、配信開始から約2時間が経過した12時50分過ぎに始まった。

GT-Rサイドにはチームインパル監督・星野一義監督と“究極のGT-Rオタク”こと松田次生選手が参戦。Zサイドには“Zの柳田”こと柳田春人氏がその遺伝子を受け継ぐ息子の柳田真孝選手とともに自宅からZoomで登場した。GT-RとZの両レジェンドが顔をそろえたトークセッションには、見守るファンの期待も否応なく高まる。

まず、Zとの付き合いについて尋ねられた柳田春人氏は、「Zがデビューして今年で51年ですよね。だから、51年前からです」と回答。現在、柳田春人氏は70歳なので、実に人生の3分の2をZとともに歩んできた計算になる。Zを語る上で、これほどの適任者はいないだろう。

一方の星野一義氏は、「僕は現在73歳ですが、18歳の時からなのでスカイラインとはすごく長いんですよ。その当時、まだ『32』(サンニー)はなかったですけど、『54』(ゴーヨン)スカイラインGT-Bから今でもGT-Rとお付き合いしています。スカイラインをとったら、僕はないですよね」とこちらもアピールした。

続いて、議題はそれぞれの印象に残るストーリーへ。

「レーシングカーでやったのはデビューの『サンマル』(S30型)ですから、タイヤが太くてハンドル、ブレーキも重くて……。乗りづらいクルマでしたけど、Zに乗れればなんでも乗れるっていう時代がありましたね」(柳田春人氏)

「思い入れのあるクルマは、やっぱりサンニーですね。『四駆って何を考えているんだろう、ラリーをやるわけじゃないだろうし』とか、そういうことを思っていたんです。まあ、僕は乗る前までバカにしてた(笑)。けど、乗った瞬間にびっくりしました。例えば600馬力ぐらいあるクルマが後ろの駆動で300:300だと、ホイルスピンしちゃいますよね。それを4つで割ってアンダーもオーバーもフィーリングを味わえる。その先行した技術がすばらしかった」(星野一義氏)

レジェンドの思い出話に続いて、話の矛先を向けられた現役ドライバーの2名。Zでレースに参戦した時の心境を尋ねられた柳田真孝選手は、「僕がZに携わることになったのは、2002年の『33』(サンサン)ですね。翌年のGTに出るクルマの開発にドライバーとして初めて携わらせてもらったんですが、すごく縁を感じました。父が乗っていたZで自分もレースに出るんだという喜びもあったし、いろんな人から期待もされるという中で、やっぱりこれも運命なのかなと思いましたね」と語った。

プライベートでも多くのGT-Rを所有する松田次生選手は、「契約を更新するとともに、GT-Rを増やしてきました。それだけやっぱり、魅力があるクルマなんですよ。最近はハコスカに乗らせてもらうこともあるんですけど、そのハコスカの時代に強かったっていうイメージ。常にトップで走っていて、今の『R35』があるっていう感じです。やっぱり、GT-Rは常に速さを求めているクルマなんだなって思います」

最後に柳田春人氏は、「Zは今まで、GT-Rに比べて価格は安くて、購入しやすいというのがありました。やっぱり、皆さんが手の届く価格なんで、気軽に乗れるかなって。これからもそうあってほしいです」と願いを述べれば、星野一義氏は「僕は欲深いから、両方ですよ。両方を愛しています」と欲張りな一面をのぞかせたところで、トークセッションは終了した。

今回のトークテーマである「GT-RvsZ」については、レジェンド両名&現役トップドライバーをもってしても優劣は決められない様子だった。GT-RにはGT-Rの、ZにはZの良さがあるということなのだろう。どちらの方が上かを決めようとするなど、無粋なのかもしれない。

日産グローバル本社ギャラリーでは現在、「フェアレディ 240ZG」と「スカイラインGT-R グループA カルソニック」に「MOTOL AUTECH GT-R(2019年仕様)」「リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(レプリカ)」「NISSAN LEAF NISMO RC」「日産リーフ NISMO」を加えた計6台の特別展示を行っている。期間は2021年3月上旬までだ。

安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。twitter:@andYSYK。 この著者の記事一覧はこちら

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