2人死亡の交番襲撃で元自衛官の被告が黙秘 弁護側は強盗殺人を否定

富山市の奥田交番で2018年6月、警察官が刃物で刺殺され、奪われた拳銃で小学校の警備員が射殺された事件で、強盗殺人などの罪に問われた元自衛官、島津慧大被告(24)の裁判員裁判の初公判が14日、富山地裁(大村泰平裁判長)であり、島津被告は黙秘した。弁護側は、被告に強盗目的はなかったとし、「殺人罪と窃盗罪にとどまる」などと主張した。判決は3月5日の予定。
島津被告は黒のスーツ姿で髪を一つに束ね、車いすで出廷。裁判長から氏名などを尋ねられても何も答えず、起訴内容に対する認否も語らなかった。
検察側は冒頭陳述で、「被告は警察官と闘って勝利し、自分の力を誇示しようと考えた」などと主張。「刺した警察官から直ちに拳銃を奪っており、拳銃を狙った強盗目的があったことは明らかだ」と訴えた。
弁護側は「警察官が倒れた後に拳銃を奪う意思が生じた」などと反論した上で、被告に自閉症スペクトラム障害があったことを量刑上考慮するよう求めた。
富山地検は約4カ月間の鑑定留置で被告の精神状態などを調べ、刑事責任を問えると判断。精神鑑定は弁護側の請求で起訴後にも実施された。
起訴状などによると、島津被告は18年6月26日、富山県警富山中央署奥田交番で勤務していた所長の稲泉健一警視(2階級特進)=当時(46)=を刺殺し、拳銃を強奪。近くの小学校の正門付近で警備員の中村信一さん=同(68)=を射殺したなどとされる。
被害者参加制度を利用して出廷した中村さんの妻は公判後、「被告の口から事件について語られることを望みたい」とコメントした。

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