倒産件数が2年ぶり「減少」、支援策が下支え 新型コロナ関連倒産は792件

東京商工リサーチが1月13日に発表した全国企業倒産状況によると、2020年1~12月の負債1000万円以上の企業倒産件数は、前年比7.2%減の7773件だった。負債総額は14.2%減の1兆2200億4600万円。新型コロナウイルス関連の支援策によって夏以降の倒産件数が前年より少なくなり、年間でも2年ぶりに前年を下回った。一方、新型コロナ関連の倒産は792件に達し、旅行やアパレル関連などの大型倒産も目立った。

年間の倒産件数が8000件を下回ったのは30年ぶりだという。コロナ関連の資金繰り支援や助成金などの支援策が中小企業を下支えし、7月以降は6カ月連続で前年同月を下回った。

産業別の倒産件数では、外出自粛などで影響を受けた飲食業や宿泊業を含む「サービス業他」が1.0%増の2596件と最多。一方、巣ごもり需要によって来店客が増えたスーパーなどを含む「小売業」は14.3%減の1054件と、3年ぶりに前年を下回り、過去30年間で最も少なかった。「建設業」「製造業」「卸売業」「情報通信業」も前年を下回った。

原因別では、「販売不振」が5.7%減の5729件で最多だったものの、2年ぶりに前年を下回った。販売不振と「既往のシワ寄せ」「売掛金等回収難」を合わせた「不況型倒産」は6.2%減の6526件となり、全体に占める構成比は83.9%と30年間で最も高くなった。

負債額は「1億円未満」が5.7%減の5925件と最多だった。全体に占める割合は76.2%と前年より1.2ポイント上昇。30年間で最も高い水準となり、小規模な事業者の倒産の割合がさらに高くなった。「1億円以上5億円未満」は14.6%減の1415件、「5億円以上10億円未満」が7.1%減の235件。一方、「10億円以上」は7.0%増の198件で、5年ぶりに前年を上回った。

主な大型倒産は、自動車部品製造のダイヤメット(負債額577億9000万円)、旅行業のホワイト・ベアーファミリー(同278億円)、航空運送業のエアアジア・ジャパン(同217億円)、ゴルフ場経営のザ・クイーンズヒルゴルフ場(同168億8400万円)、ホテル・リゾート運営受託のWBFホテル&リゾーツ(同160億円)、アパレル製品販売のレナウン(同138億7900万円)など。新型コロナによる販売不振などの影響を受けた旅行・観光関連やアパレルの大型倒産が見られた。

新型コロナが幅広い業種に影響
従業員数別にみると、「5人未満」が最多で4.9%減の5901件。「5人以上10人未満」は13.8%減の980件だった。10人未満は6881件となり、全体に占める割合は88.5%。構成比は30年間で最も高い水準となった。

倒産に伴う従業員の被害状況では、合計の被害者数が3.9%減の4万723人となり、2年ぶりに減少したが、2年連続で4万人を超えた。産業別では「サービス業他」が15.2%増の1万2968人で最多。「製造業」は6.9%減の8181人、「小売業」は3.8%増の5937人だった。従業員数の多い事例では、接骨院経営のMJG(従業員1000人)、WBFホテル&リゾーツ(同968人)などがあった。

新型コロナ関連の倒産は792件。外国人観光客の需要消失や外出自粛などにより、飲食業や宿泊業、アパレル関連のほか、冠婚葬祭や音楽教室など幅広い業種に影響があった。東京商工リサーチは「新型コロナ関連倒産は、もともと業績不振で財務基盤が脆弱な中小・零細企業が多い。こうした企業にコロナ禍の先行きが見通せない中、売上減少が続き、資金繰り支援、助成金・給付金の効果も持続せず、息切れが表面化してきている」と懸念を示している。

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