「安すぎるタイヤチェーン」の落とし穴 ネットに溢れる粗悪品の実態 日本メーカー苦慮

インターネットの通販サイトで、タイヤチェーンの偽物が横行していることから、メーカーが注意を呼び掛けています。正規品の名をかたったものだけでなく、その機能を全く果たさないものも。やけに安い商品は注意が必要です。
カー用品大手のカーメイトが、インターネット通販サイトで自社製タイヤチェーンの類似品が横行しているとして、2021年現在、自社サイトで動画を公開して注意を呼び掛けています。
なかには「バイアスロン」シリーズなど、カーメイトの樹脂製チェーン製品名をかたったものもあり、ユーザーからの問合せが増えているとのこと。類似品は素材・性能・耐久面でカーメイトの品質基準とは異なるといい、正規品との見分け方などを紹介しています。
「類似品のほとんどが中国製と考えられます。出回り始めたのは2、3年前からでしょうか。当社の製品名を使用していたサイトには申し立てをし、名前を消して引き続き販売されているケースもあれば、サイトが閉鎖されたケースもあります」(カーメイト)
「安すぎるタイヤチェーン」の落とし穴 ネットに溢れる粗悪品…の画像はこちら >>カーメイトの樹脂製チェーン「バイアスロン クイックイージー」(画像:カーメイト)。
カーメイトの製品を始め、カー用品店などで売られているタイヤチェーンの多くは、JASAA(日本自動車交通安全用品協会)の厳しいテストをクリアしているとのこと。JASAAの認定を受けた製品を販売する他メーカーも、こうした粗悪品で被害を被っているようだといいます。

通常、カーメイトの「バイアスロン」であれば2万円前後の価格で販売されていますが、類似品は数千円とのこと。
インターネットの某通販サイトでタイヤチェーンの人気ランキングを見ると、金属チェーンも非金属チェーンも、数千円の安価なものが上位に並び、なかには1000円以下という製品まで見られます。これらは実際、安全に使えるのでしょうか。
カーメイトによると、安価なタイヤチェーンの多くは、その価格からしても中国製と考えられるそうです。同社は、自社製品の類似品に限らず、このような製品を様々取り寄せてテストしているといいます。
「中国製の安価な製品の多くは、タイヤとのサイズのマッチングが難しかったり、取り付けても緩くてダボダボだったりします。取り付けて10km/hで走って3度旋回したら切れた、あるいはスパイクピンが飛んでいったものもあります。なかには、ホイールの穴を通して巻き付けるタイプのものがありますが、ホイールの種類によっては取り付けられませんから、そもそも製品としてあり得ません」(カーメイト)
今回、数々の製品のテスト結果を見せてもらいましたが、そもそもどう取り付けるのか、といった製品も少なくないようです。カーメイトとしても、チェーンとタイヤのマッチングはかなり苦労するポイントで、数百種類のタイヤでテストしながら製品を開発しているそうですが、「たぶん、こんなものだろう」くらいで作ったのではないか、と思えるものが見受けられるといいます。

というのも、「そもそも中国にはタイヤチェーンを使う文化がありません」とのこと。この点は、同社がタイヤチェーンを中国で売れない理由にもつながるそうです。つまりタイヤチェーンの未経験者が、見よう見まねで作っているものが、日本で多く流通していることが伺えます。
「バイアスロン クイックイージー」はロック機構の締め付けにハンドルを使う。粗悪品はこのハンドルのツメが折れてしまうものも(画像:カーメイト)。
ネット通販サイトにおけるタイヤチェーンの売れ筋や人気商品は、こうした中国製の安価な製品や、スプレータイプの滑り止めなど、簡易的なものだといいます。その背景についてカーメイトは、雪に対する認識の甘い非降雪エリアの人が、「スプレーや安いもので十分」と考えて購入するケースが多いからだと分析しています。「実際に雪道で困るのはお客様」とのこと。
なお、「一般的なカー用品店で売られているものならば、まず安全」ということです。

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