成人式「少しでも良い思い出に」=尽力する企業や自治体―コロナ禍でも若者応援

新型コロナウイルスの急激な感染拡大で、成人式直前に各地で中止や延期が相次ぎ、多くの新成人が振り回される異例の事態となっている。こうした中、規模を縮小するなどして開催を決めた自治体もあり、「少しでも良い思い出に」とレンタルした振り袖を進呈する企業も現れた。
「母親から譲られた振り袖を着た晴れ姿を祖父に見せられなかった」。千葉県船橋市の大学2年生、能口紗衣さん(20)は心残りな気持ちをこう語る。11日に予定されていた成人式はオンライン開催が決まった。
東京都新宿区も、政府の緊急事態宣言発令を受け断念。開催に強い意欲を見せてきた吉住健一区長は「大災害に匹敵する状況と判断し、残念ながら式典の中止をさせていただく。心からおわび申し上げる」とコメントを出した。
こうした中、全国の自治体で最多の3万6000人超の新成人を抱える横浜市は開催に踏み切る。昨年7月までオンライン開催を予定していたが、新成人らからの要望に応え方針を変えた。収容人数を減らすため、例年横浜アリーナ1カ所だった会場を2カ所に増やし、計8回の式典を実施する。
横浜市によると、5日に開催を発表した際は300件以上の苦情が入った。担当者は「感染対策を徹底する。平時と違い、マスクの着用など新成人に制約もあるが、思い出に残る成人式にしてほしい」と話した。
晴れ着姿を楽しみにしていた新成人を応援するのは、京都きもの友禅(東京都中央区)。成人式が中止やオンライン開催となった新成人に、レンタルした振り袖を進呈し、購入した人には商品券をプレゼントする。
同社が「あなたのハタチに、『また来年ね』なんてないから。」と公式サイトにメッセージを掲載し、新成人への支援をPRしたところ、「すてきな対応に感動」「振り袖を大切にしたい」などと、ネット上で大きな反響を呼んだ。
進呈する振り袖は1000着程度の見通し。担当者は「成人式は人生で1回。コロナ禍で中止になっても、少しでも楽しい思い出にしてほしい」と話している。

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