開催まで200日を切った東京五輪 「なぜできると思うのか」と海外メディアは懐疑的

東京五輪の開催予定日まで200日を切ったことで、海外メディアによる「本当に開催するのか」といった記事がいっきに増えている。夢と希望に満ち溢れ世界の万人に支持されてきた五輪だが、今回ばかりは特別だ。その開催は果たして歓迎されているのだろうか。
■楽観的な日本のトップに…今年の7月23日から予定されている東京2020オリンピック(以下東京五輪)。1年の延期が決まった際には、必ずや新型コロナウイルスのパンデミックを収束させ、満を持しての開催をと、誰もが強く望んでいた。だがその開催まであと200日を切り、相変わらず「五輪は必ず開催する」「安全な開催を目指し着実に準備を行う」などと発言する菅義偉首相や小池百合子都知事に対し、いよいよ海外メディアは懐疑的あるいは否定的な記事を発表するようになっている。
関連記事:2021年に延期の2020東京五輪 来年の開催予定にも不安広がる■目立つ「問題は山積」記事例えば競泳、陸上競技、自転車、ボート、セイリングなどの常勝国であるオーストラリアの高級紙『The Age』は、東京五輪開催はいまだ問題が山積だとして、「The longest 200 days:Tokyo Games organisers continue to face mammoth task」という記事を発表した。多くの国で、若く健康なアスリートにはワクチン接種の順位が当分は回ってこないうえ、その効果や有効期間に対しても疑問がくすぶっている。3~5月に最終的に決定するといわれても、一流アスリートは月日をかけた念入りな調整が必要。観客席が日本人ばかりとなるようでは不公平…など様々な理由を挙げ、この状況下で開催して果たして成功するものかと、疑問を投げかけている。

■五輪招致で貧乏くじを引くそして、米国・ワシントンD.C.を本拠地とするCBS系列のテレビ局『WUSA9』は、日本や東京が被る経済的損失について触れている。1年の延期により2,940億円が加わり、大会経費が1兆6,440億円(組織委員会が7,060億円、東京都が7,170億円、国が2,210億円を負担)に増えたことが発表されたばかりだが、実際にはその1.5倍ほど、と見る向きもあるというのだ。大会のスポンサーとして現在は名を連ねている有名企業も、今後どうなるのかはわからない。航空、観光大手などは新型コロナウイルスの影響で大打撃を受けており、確かに「それどころではない」はずだ。
■日本は「お・こ・と・わ・り」ムード?『WUSA9』はまた、日本のNHKが先に行った世論調査で、回答者の63%が五輪の延期か中止を望んでいるという事実を紹介。大勢の人が海外からやって来ることへの不安から、「お・も・て・な・し」が「お・こ・と・わ・り」ムードに転じていることは、こうしてすでに海外の人たちにも理解されている様子だ。現実問題として、いくつもの国で感染はいまだ拡大しており、ワクチン接種の実施も思ったように進行せず、イギリスの専門家からは「アフリカの変異種にワクチンが効かない可能性がある」という発表もなされた。「開催は無理しなくても…」だったものを、「なぜこれで開催できると思うのか」と語調を厳しくさせるようになった海外メディアだが、今後は併せて、トップアスリートたちから発信されるメッセージにも注目だ。 (文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)

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