議員出席停止「裁判の対象」=60年ぶり判例変更―岩沼市の上告棄却・最高裁

地方議会での議員出席停止処分の審査が裁判の対象となるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は25日、「司法審査の対象となる」と判示した。約60年ぶりに判例を変更した。
原告は宮城県岩沼市の元市議。市議会から受けた出席停止処分の取り消しなどを求めていた。
大法廷は、出席停止処分を受けると議決など議員としての中核的な活動ができなくなり、「住民の負託を受けた責務を十分に果たすことができなくなる」と指摘。議会に一定の裁量が認められるとしつつ、「裁判所は常にその適否を判断することができる」と述べ、市側の上告を棄却した。15人の裁判官全員一致の意見。
審理は仙台地裁に差し戻され、改めて処分取り消しの適否などが判断される。
最高裁は1960年、自律的な法規範を持つ団体では、法規範の実現は自治的措置に任せるべき場合があるとし、「地方議会の出席停止は裁判の対象から除く」とする判決を出した。
原告の元市議は2016年6月の議会運営委員会で、陳謝処分となった議員をかばい、「(陳謝文で)読み上げられた中身は真実とは限らない」などと発言したことを理由に、9月定例会の全会期23日間の出席停止処分となった。この間の議員報酬約27万円も減額された。
一審仙台地裁は、最高裁判例に基づき元市議の訴えを却下。二審仙台高裁は「出席停止でも議員報酬減額につながる場合は、裁判の対象となる」として一審判決を破棄し、審理を地裁に差し戻した。

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