Go To Eatでワタミは10月の予約人数が前月比6倍に 売上は前月比65%まで回復

新型コロナウイルスの感染拡大で需要が落ちた飲食店を支援する「Go To Eat」キャンペーンは、オンライン飲食予約事業が10月から始まったが、11月中旬には予算の618億円を使い切りポイントの付与を早々と終了。一方で、プレミアム付き食事券事業が各都道府県で順次スタートしていて、11月20日に東京都でも食事券の販売が始まった。

ここまでの「Go To Eat」キャンペーンで、「一定のプラス効果があった」と話すのが、外食チェーン大手のワタミだ。10月はネット予約の人数が前月比で6倍に増加し、既存店の売上も前年比65%と、緊急事態宣言以降で最も回復したという。

同社は11月20日から東京都内で実施されるGo To Eatの「プレミアム付食事券事業」にも、居酒屋「和民」「坐・和民」「ミライザカ」「鳥メロ」といった主力業態をはじめ、「かみむら牧場」「TGI Friday’s」 など全業態で参画する。

ワタミは主力の居酒屋360店舗のうち、3分の1を焼肉業態の「焼肉の和民」に転換。来年3月末までに既存店を114店舗閉鎖する一方で、新業態の「から揚げの天才」を100店舗に増やすなど、グループ全体の業態の構造を変えつつある。新型コロナを乗り切るためのワタミの対応を聞いた。

10月の売上回復にGo To Eatが一定の効果
「既存店の売上高は、9月は前年比50.6%でしたが、Go To Eatが10月1日から始まったことで、10月は65.0%まで回復しました。Go To Eatが全ての要因というわけではありませんが、売上回復に寄与したと思います」

Go To Eatによる一定の効果があったと話すのは、外食チェーンを展開するワタミ株式会社ブランド広報室の菅則勝さん。ワタミではGo To Eatキャンペーンのうち、ポイントが付与されるオンライン飲食予約事業に、ほとんどの店舗が10月1日から参加。都道府県ごとに順次始まっているプレミアム付き食事券事業にも、「和民」「坐・和民」「ミライザカ」「鳥メロ」といった主力の店舗をはじめ、全業態で参加している。

菅さんによると、10月のオンライン飲食予約事業の効果は、数字に表れているという。ネットで予約した客数は、9月に比べて6倍に増えた。10月の既存店の売上も前年比65.0%と、緊急事態宣言以降では最も回復した。

プレミアム付き食事券事業は、事業規模が大きい東京都での販売が、11月20日に始まった。食事券についても菅さんは「外食してくれるきっかけになってくれるのではという点で期待をしているところです」と話している。

居酒屋から焼肉への転換
飲食業の中でも居酒屋などアルコールを提供する業態は、新型コロナウイルスの感染拡大によって大きな打撃を受けている。宣言の解除後に、最も回復が遅れているのも居酒屋だ。

ワタミでは居酒屋について、2020年度の上期に91店舗、下期に23店舗のあわせて114店舗を閉鎖する。その一方で積極的に新業態の開発を進めている。

注目を集めているのは居酒屋から焼肉への転換だ。ワタミでは居酒屋360店舗のうち、120店を新業態の「焼肉の和民」に転換することを10月5日に発表。2022年3月まで、1年半かけて転換を進めている。

また新業態で急速に店舗数を伸ばしているのが、から揚げ専門店の「から揚げの天才」。出店費用を999万円に抑えたコンテナ型の店舗で、フランチャイズで展開している。今年1月時点では4店舗だったが、6月から増え始め、10月末の時点で57店舗に増加。2020年度中に100店舗に広げる見込みだ。

「渡邉美樹会長は『仮にコロナ禍が終わったとしてもおそらく居酒屋の需要は、コロナの前と比べて7割くらいしか戻らない』と見込んでいます。これからの世の中の変化にいかに対応するかを考えています」

外食産業が注目されることへの期待
ワタミでは7月から営業を再開するにあたって、感染予防策の強化も図った。それが外食産業では初めてとなるオゾンによる店内消毒の実施。首都圏の店舗で毎月1回高濃度のオゾンで店舗を消毒し、その効果を確認するため、手が触れると考えられる複数の場所から検体を採取してPCR検査を実施している。

感染予防のための取り組みもしているものの、なかなか1社の取り組みが広く知られることはない。一方で、Go To Eatキャンペーンは、多くの人から外食産業が注目されるという点で、プラスの効果があるのではないかと、同社は期待する。

「外食の販促についての施策が、新聞の一面やテレビニュースのトップで扱われることはこれまでありませんでした。そう考えると、Go To Eatの取り組みは、多くの方がご存じだと思います。

コロナ対策にも取り組んでおりますが、Go To Eatが注目されたことで、外食のきっかけになる意味で期待感は大きいですね」

(ジャーナリスト 田中圭太郎)

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