大阪人が教えるホンマにええ店 第14回 隠れてでも食べたくなる、隠れうどんとは!?

お好み焼きにたこ焼き、串かつと、大阪名物は数あれど、忘れてはいけないのが大阪うどん。最近は大阪でも讃岐うどんが主流となりつつあるが、そんななかでも頑なに大阪うどんを守り続けるのが「愛宕屋」だ。

大阪の大動脈、谷町筋沿いに立地
「愛宕屋」は心斎橋駅から大阪メトロ長堀鶴見緑地線で3駅の「谷町六丁目」駅近くにある。店主の愛宕さんは、実家が3代続く製麺所であったことから、自らも22年前にうどん店を開業した。大阪市内を南北に結ぶ大動脈の一つ、谷間筋沿いにある店は民芸調の雰囲気がある懐かしい造りで、カウンターにテーブル、奥には小上がりの座敷もあり、10名程度の宴会にも対応している。

アテをつまんで、締めにうどんが人気
メニューはうどんを中心に一品料理も充実。居酒屋づかいができるので、一人で酒とアテをつまんで締めにうどんを食べて帰る客も多く、まさに出張族でも気軽に足を運べるのがポイントだ。出張族ではないけれど、普段から一人寂しいディナーを食べ続けている筆者も、出張に来た気分でさっそく実食してみた。

まずはお店の一押しのアテという、近江牛たたき(一人前税別1150円)を注文。のその前に、スーパードライ(中・1杯税別380円)で喉を潤す。

キンキンに冷えたビールは、さほど仕事をしていない筆者でも無事に1日の終わりを迎えられたことを歓迎してくれているようだ。冷たいビールを半分ほど口に流し込んだところで料理が登場。表面をさっと炙っただけのA4クラスの近江牛のモモ肉は、柔らかいのは当然、肉の旨味が舌にまとわりつくようで、噛むほどに旨味が広がり口の中に余韻を残す。店主の愛宕さんが滋賀に出向いた際に食べた近江牛のおいしさに魅了され、肉屋と直談判して仕入れているほどで、たたきだけでなく、近江牛すき焼きうどんや近江牛ステーキ重にも使われるなど、実は近江牛のメニューが隠れた名物となりつつある。

続いて、秋あじつみれの野菜ぺったん焼き(一人前税別580円)が運ばれてくる。秋あじとネギのツミレを平らにして焼いたもので、ほんのり醤油味がつけられたツミレにスダチをしぼって食べると、一気に海の中へ潜り込んだような気分になる。「これを出されたら日本酒でしょ!」というわけで日本酒の3種盛り(一人前税別500円)を注文。本当の出張先でこんなお店に出会ったら楽しいやろな~と考えるとついついエンジンがかかり、出し巻きたまご(一人前税別600円)を追加してしまった。

ふわふわに焼き上げられた出し巻たまごは、うどん店だけあってダシの深い味わいがしっかりと広がるのはいうまでもなく、濃厚な卵の優しい味わいが、まるで体ごと包み込んでくれるようだ。酒とアテでもう少しゆっくりしたいとことだが、お腹にも限界があるので、ここらで締めのうどんを注文。頼んだのはもちろん、名物の“隠れうどん“にえび天をのせた、えび天 隠れうどん(一人前税別880円)だ。
職人のまかないから生まれた隠れうどん
製麺所では一度に大量の麺を茹でるのだが、忙しい職人が少しの暇をみてその釜から引き上げたうどんに醤油をかけて食べていた。しかしダシ文化の強い大阪人には醤油だけでは物足りず、鰹節をのせて醤油と茹で汁をかけて食べたのがはじまりだそう。親方に隠れてでも食べたくなるということで、隠れうどんと呼ばれるようになったとか。

そのため、たっぷりの鰹節がのせられているのが特徴。麺は大阪ならではの柔らかさ。とはいえ「柔らかい麺のなかにも、一本の糸のようなコシを残して打つのがうちのやり方」というだけあり、確かにただ柔らかいだけではない絶妙なコシが残されている。私も少しでも芯が残った人間になりたいと、このうどんを食べながら切に思ったのは言うまでもない。

数種の削り節や昆布がきいたダシで食べるうどんをはじめ、鯛セイロ飯(一人前税別480円)などご飯ものも充実しており、酒をのまずともがっつりと食事を楽しむのもOK。お昼にはお得なランチもあり昼夜ともに使えるので、谷町6丁目に行ったら、ぜひ隠れうどんをご賞味あれ。

Information「愛宕屋」
大阪府大阪市中央区谷町6-5-41
11時30分~22時30分(LO.22時)
不定休

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