「被災者の体験が地層に」=全米図書賞を受賞した柳美里さん

「これは私の物語ではなく南相馬の人の物語」―。「JR上野駅公園口」英語版で全米図書賞の翻訳文学部門を受賞した作家の柳美里さん(52)は19日、自身が住む福島県南相馬市からオンラインで記者会見し、喜びを語るとともに東日本大震災の被災者に思いをはせた。
受賞作は、福島から出稼ぎで上京し、ホームレスとして最期を迎えた男の物語。柳さんは、地元の臨時災害放送局でパーソナリティーを務めた経験を振り返り、「600人の体験や声が地層となって、この作品が生まれた」と説明した。
コロナ禍の現況にも触れ、「ステイホームと言われて真っ先に浮かんだのは上野公園のホームレスの人たちや災害公営住宅の様子」と言及。「行き場所のない絶望感が深まる」中での受賞を重く受け止めていた。

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