コンビニの「雑誌棚」と「書籍棚」がコロナ禍で変化 大手3社の戦略は

コンビニの雑誌・書籍棚にちょっとした変化が起きている。

ファミリーマートは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で商品の売れ筋が変化したことから、店舗レイアウトの見直しを進めている。広報担当者は「日常使いの商品に対するニーズが高まっていることから、調味料や加工食品などの売場を拡大する。一部の日用品の売場を雑誌売場に移動した」と説明する。結果的に雑誌売場は縮小することになる。

ローソンでは、2014年から書籍専用棚を設置する店舗を増やしている。現在は約4800店舗に展開しているが、コロナ禍の影響により、新書、文庫本、関連の雑貨品といった「文庫・書籍カテゴリー」が好調だ。20年5~9月末の売上高は前年同期比で約2割増だという。一方、同社は書店と併設した店舗を埼玉県、神奈川県、広島県において計23店展開している。書店併設の店舗では、「文庫・書籍カテゴリー」の20年5~9月末における売上高が同4割増と好調だ。

なぜ、ローソンでは書籍を強化してきたのか。広報担当者はその理由を「街の書店が年々少なくなる中で、身近なコンビニで販売することでお客さまの利便性を向上させるため」と説明する。ちなみに、書籍専用棚を設置する店舗では雑誌棚を縮小している。

雑誌は冬の時代
出版科学研究所(東京都新宿区)の調査によると、月刊誌・週刊誌の推定販売金額は、1997年をピークに22年連続マイナスという状況が続く。休刊点数が創刊点数を上回る“冬の時代”に突入している。この傾向はコンビニにも当てはまっており、ローソンとファミマの担当者はともに、雑誌の売り上げは減少傾向にあると説明する。

一方、同研究所によると、書籍は雑誌と比較して減少幅は緩やかだという。シニア向けの生き方本や自己啓発書、ビジネス書などが堅調とのこと。書店が姿を消す中で、ローソンは手堅い需要をキャッチしているといえる。

業界最大手であるセブン‐イレブンの動向はどうなっているのか。広報担当者によると、現時点で雑誌棚を減らす予定はなく、付録が充実している雑誌の強化に取り組んでいるという。出版科学研究所も、雑誌について「グッズ付録つき雑誌や人気アイドルが登場する号など、単号売れの傾向が顕著」と分析しており、出版業界のトレンドに沿った戦略を展開しているといえそうだ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする