韓国警察に逮捕された読売新聞エース記者 社内報で明かしていた「不安定な精神」と会社の対応

公称762万部と国内最大部数を誇る読売新聞で、またもや不祥事が発覚した。「週刊文春」(文藝春秋)10月22日号に「読売新聞エース記者が韓国で逮捕されていた」と題した記事が掲載されたのだ。
今年の7月14日、読売新聞ソウル支局の記者(34)が韓国ソウル市内のマンションで泥酔し、駆けつけた警察官の顔面につばを吐き、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕され、在宅起訴されていたという。
読売新聞は週刊文春がこの事件の事実確認をした10月12日まで、記者の不祥事を公表していなかった。翌朝の朝刊にシレっと<本誌記者を懲戒処分 韓国で公務執行妨害>というベタ記事を掲載したが、もし週刊文春の記事がなければ、不祥事を“隠蔽”していた可能性も否定できない。
取材相手には厳しく、身内には甘いといわれる大手新聞社ゆえ、身内の記者の「不祥事隠し」を画策していたとしても何ら不思議ではないが、現役の読売新聞社員によると、今回はちょっと事情が異なるのではないか、と話す。
「記事にもありましたが、ウチは比較的、記者の不祥事には厳しいほうなんです。わいせつ系の事案ならきちんと自社で記事にして、懲戒解雇処分にしています。今回は公務執行妨害だけだったので公表しなかったとしていますが、どうやら記者の精神状態がかなり良くないことが、原因だったのではないかとささやかれています」
事件を起こしたのは、08年に入社したO記者。早稲田大学国際教養学部を卒業して、英語や韓国語など語学も堪能だったという。読売新聞関係者によると、見た目も細面のイケメンで野心家ではあるが、粗暴な感じではないという。最初の赴任地は青森支局で5年ほど警察、県庁の担当などをして、13年に政治部に異動。自民党の二階俊博総務会長(当時)の番記者や防衛省担当などを務めていたという。本人の希望もあって、17年9月に国際部に異動となり、同月下旬からソウル支局で勤務していたという。

「キャリアとしては順風満帆と言っていい。特ダネを抜いてくるスクープ記者ではないようだが、コツコツとメモを取ってきてファクトを固めてきっちり書くタイプ。ある意味、ウチでは最も重宝されるタイプの記者です。社内でも悪い話は聞かなかったけど、事件発覚後に『そういえば酒の飲み方だけはひどかった』という話がチラホラ出てきた。繊細な性格だったようで、酒に逃げてそれを隠していたのかもしれないと言われている」(前出・読売社員)
この証言を裏付けるように、O記者は新入社員の「社内報」に自らの性格についてこう記している。
<気分屋。絶好調と絶不調の波が激しい。安定性が課題>
気分の浮き沈みが激しく、精神的に安定しないことを自覚していたようだ。普段は理性でそれをカバーしていても、大量に飲酒をした際にはそうした“負”の側面が表に出てきてしまったのかもしれない。
ただ、社内報には今後の抱負について
<謙虚さ、基本、向上心、そして「世の見落とされた視点」を大切に頑張ります>
とも書いており、入社後は目指すべき記者像に向けて努力していた様子もうかがえる。それだけに、今回の逮捕は本人の精神に大きなダメージを残したのではないかと懸念されているのだ。
「もし“最悪の事態”であったなら、それは会社としては公表できなかったでしょう。文春の取材に対しても『記者本人の精神的な状況』を考慮したことを明言しているのだから、O記者のメンタルに甚大な影響があったことは間違いないだろう。本人から辞表が提出されなければ、編集局管理部付けになって刑事処分が確定するまで在宅待機となる。精神的になにか問題があるとしたら、上司などが定期的に連絡を入れているはずです」(同)
エリート記者として社内の階段を駆け上がってきたO記者。しかし、仕事に邁進するあまり、新人時代に書き記した「謙虚さ」をどこかに置き忘れてしまったのかもしれない。さりとて、生き馬の目を射抜くマスコミ業界、新聞社としては前線で体を張る記者のメンタルケアは最重要課題であるはずだが……。

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