1店舗の求人に300人が応募! コンビニの人手不足問題がコロナ禍で劇的に改善した理由

深刻な状況だったコンビニの人材難がコロナ禍の影響で劇的に改善している。

例えば、今年5月にオープンした東京都墨田区にあるローソンの店舗の求人には300人以上の応募があったという。1年前、同社の竹増貞信社長が加盟店を巡回していた際には「お金をかけて求人情報を何度も掲載したのに、応募が全くない」という声が寄せられていた。しかし、竹増社長は10月の決算会見で「加盟店を巡回していても、昨年のように人手不足が深刻だという話が出てこない」と説明した。

他社の見解はどうか。ファミリーマートの広報担当者は「地域や立地、募集するシフトによって異なるが、コロナ前と比較して応募数は増えてきている状況」と説明する。セブン‐イレブン・ジャパンの担当者も同様の見解を示した。

コンビニ業界に何が起きているのか。

自社Webサイト経由の応募が増加
コンビニで働こうとしている人の数が増えていることがうかがえるデータはいくつかある。

ローソンの担当者によると、自社Webサイト経由のクルー応募数は、4月に前年同月比3倍となった。5~6月は同1.7倍、8月は同1.8倍と高水準の状態が続いてるという。ファミマの場合も、自社Webサイトからの応募数は「コロナ禍を受けて前年比1.7~1.8倍程度」(担当者)という。

セブンは決算会見で詳細な数字を公開している。自社のWebサイトを通じた応募人数は1~3月は3万人を下回っている状況だったが、4月には倍近くに増加。その後もコロナ禍前の2倍強で高止まりしている。さらに、自社Webサイトに求人情報を掲載する店舗の数は、4月以降は前年の水準を下回る状況が続いている。つまり、十分な人員が確保できたため、求人情報を掲載しない店舗が増えていると考えられる。セブンの担当者も「マクロ的には人手不足の解消と見ることはできる認識だ。ただ、地域や店舗による偏りがある」と説明する。

他業種から流入
なぜ、コンビニの求人にこれほど応募者が殺到しているのか。セブンの担当者は「一例だが、外食産業の時短営業や営業縮小によって収入が減少した方が、近くのコンビニに職を求めたことは否定できないと思う」と回答した。ローソンの担当者も「他業種からの応募が増えていることなどが考えられる」という認識を示した。飲食店や小売店で勤務していた人が、コンビニに流れた可能性は大きい。

コンビニが24時間営業を行っていることも応募増につながっているようだ。ファミマの担当者は「店舗の立地により事情は異なるが、コンビニは身近な存在であり、勤務時間の融通がきくといった働きやすさが再認識されたのではないか」と説明する。セブンの担当者も「24時間営業のコンビニならば勤務時間の確保ができると考える人がいるのではないか」という認識を示した。

コンビニ各社は人手不足解消のためさまざまな施策を行ってきた。例えば、セブンは公式Webサイトに主要業務であるレジ打ち、商品発注などの説明を詳しく掲載してきた。また、採用後の研修を行うことで定着率向上を目指してきた。

コロナ禍で人手不足はかなり改善されたようだが、減少した売り上げをいかに回復するかという課題は残されたままだ。

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