路線バスの車内放送 変わった? 広がる自動読み上げのメリット ぎこちないの声も

路線バスの車内放送の声が変わった――それは、コンピューターが自動で読み上げる放送が導入された路線かもしれません。録音された音声を放送する方式から変更するケースが増えていますが、放送にぎこちなさを感じる人もいます。
「次は〇〇です」などと、バス車内で次の停留所やお知らせなどを案内する放送。かつてはテープに録音した放送を流していましたが、近年、コンピューターによる自動読み上げ(合成音声)が普及しています。
これは、インターネットのウェブサイトの内容を自動で読み上げる機能と同じような仕組みです。たとえば京都市営バスでは2000年代後半から、こうした自動読み上げを順次導入してきましたが、一時期は「放送がぎこちない」という市民の声が相次ぎました。
京都市営バス。以前はナレーターの録音による放送だったが、現在はコンピューターの自動読み上げになっている(画像:Phuong Nguyen Duy/123RF)。
というのも、「次は……四条河原町……四条河原町……です」というように、単語と単語のあいだが間延びしていたのです。
これは意図的なもので、京都市交通局側が、分かりやすいようにと間(ま)を長くしていました。しかし市民の声を受け、放送を修正して間を短くしています。それでも、やはり発音や間にぎこちなさを感じる人もいるのか、インターネット上では、以前の録音した人の声による放送に戻してほしいという意見も見られます。

もちろん機器の音声の方も「確実に進化しています」と話すのは、こうしたバスの車内機器を手掛けるレシップホールディングス(岐阜県本巣市)です。同社に、自動読み上げ放送のメリットについて聞きました。
レシップの自動読み上げによる放送機器は、2007(平成19)年の納入開始以来、全国70の事業者で採用されているそうです。
自動読み上げの一番のメリットは、「細かい修正であっても、必要に応じてすぐ対応できること」だそう。録音の場合、停留所名が1か所だけ変更となるだけでも、ナレーターを起用し、スタジオ代などの費用もかかるといいます。
また前述の通り、放送も当初と比べてスムーズで聴き取りやすくなっているといい、広告放送を自動読み上げで流しているケースもあるとのことです。
一方で、録音による方式をずっと継続している事業者もあります。たとえば東京の中央線沿線を中心にバスを走らせる関東バスの車内放送は、およそ40年来、同じナレーターが担当しています。
関東バス(2020年5月、中島洋平撮影)。
同社では、停留所名や広告、利用者への注意喚起などの内容が変わった場合に、その部分だけ再録して既存の放送につなぎ合わせているといいます。
自動読み上げの導入について同社は考えていないとも。特にこだわっているわけではないものの、声を変えることによる違和感が出ないように、という理由だそうです。

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