決算資料表紙で「鬼滅」推し──純利益8割減の東宝、“全席開放”で起死回生へ

東宝が10月13日に発表した2021年2月期上期(20年3月1日~8月31日)の連結決算は、純利益が37億9500万円(前年同期比83.4%減)と、大幅に落ち込んだ。決算資料の表紙には、16日に公開する「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」のポスターを掲載。東宝は同作品に「非常に大きな期待をしている」という。新型コロナウイルスの感染拡大による影響が収まりきらない中、下期は「鬼滅の刃」をはじめとする興行で減益幅の縮小に努める方針だ。

売上高は739億9100万円(前年同期比48.6%減)、営業利益は70億9800万円(同78.8%減)だった。映画部門単体の営業利益は、9億4700万円(同95.9%減)。話題作の公開延期や、映画館の座席数制限の影響が響いた。

ただ、四半期ベースでは復調しており、21年2月期の通期業績予想を上方修正。売上高は前回予想から30億円増の1650億円(前期は2627億円)、営業利益は40億円増の140億円(同528億円)、純利益も40億円増の90億円(同366億円)に引き上げた。

下期(20年9月~21年2月)は、大ヒットしている「鬼滅の刃」の最新作「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」を配給し、収益の改善を見込む。東宝傘下のTOHOシネマズの劇場では10月16日~19日、鬼滅の刃のみ、映画館の全席を開放してチケットを販売する。

20日以降の対応は映画公開後、東宝とTOHOシネマズが協議して決める。上演回数も増やしており、TOHOシネマズ新宿では16、17日ともに1日40回を超える異例の上演回数を予定している。

全国興行生活衛生同業組合連合会の方針では、映画館の全座席を開放する場合、食事の提供はしないように求められている。この方針に従い、東宝は食品を販売しない代わりに、全席を開放する。

東宝は「飲食品の販売と全席開放のどちらが利益として高いかは一概に比較できないが、期待が高い分早く多くのお客さまに見てほしいという気持ちがあり、全席開放や上演数の増加をしている」という。

経営への影響については「(先行予約は)今のところ順調」「減益幅の縮小も期待できる」(東宝の担当者)として、高い期待を寄せている。

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