日産が新型「フェアレディZ」プロトタイプを初公開

日産自動車は9月16日、同社を代表するスポーツカー「フェアレディZ」の新型モデルのプロトタイプを初公開した。1969年に発売された初代をはじめ、歴代の「Z」の雰囲気を感じられるデザインに一新した。

「Zは日産のスピリットそのものだ」。同日に開いたオンラインイベントで、内田誠社長はそう語った。自身も約20年前、初めてのクルマとしてフェアレディZを購入したファンだという。現在進めている事業構造改革でも重要なモデルであるとした上で、「伝統に忠実であることを大切にした。これまで所有してきたお客さまの期待に応えたい。一方で、新しい世代のお客さまにも楽しんでもらいたい」と呼び掛けた。

今回発表した新型は7代目。12年ぶりのモデル刷新となる。

Zの誕生は1969年。日本最初のスポーツカー「ダットサンスポーツ」を市販した日産が、米国で気軽にレースを楽しむ人たちの姿をヒントに、「手ごろなスポーツカーを提供する」として開発した。60年代は国産スポーツカーが相次ぎ誕生し、日産も新型「ダットサンフェアレディ」を投入したが、衝突安全、快適性、静粛性などはあまり考慮されておらず、実用性に乏しかった。Zでは、オープンカーをやめてクローズドボディーにするなど、実用性を向上。世界的にヒットし、計52万台を生産した。

今回の新型では、その初代Zのシルエットや、フロントとリアの象徴的なモチーフを引き継いだデザインを採用している。フードの形状やLEDヘッドランプのティアドロップ形状は、初代のデザインをイメージした。また、四角いグリル開口も歴代Zの持つアイコンを継承している。さらに、LEDヘッドライトの2つの半円のデザインは、70年代に販売された「240ZG」をイメージしたという。

鮮やかな黄色のボディーカラー
また、鮮やかな黄色のボディーカラーを開発。初代Zと「300ZX」に設定されていたイエローのボディーカラーを意識し、光沢のあるパール系のイエローに仕上げたという。グローバルデザイン担当専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサ氏は「当時の塗装技術だとそこまで発色性はなかったが、現代の技術で生き生きとしたイメージのカラーを生み出した」と説明。さらに、ブラックルーフとの組み合わせによって、未来的なカラーコンビネーションをデザインしたという。

アルバイサ氏はデザインについて、「オマージュは古臭いものではない。最新でありながら、歴史や思い出を醸し出すものにしないといけない」と語った。

デザインだけでなく、“クルマを操る楽しさ”も継承している。プロトタイプでは、6速マニュアルトランスミッションが組み合わされたV6ツインターボエンジンを搭載。そして現在、市販モデルの発売に向けて、Zに求められる性能と扱いやすさを満たす機能の開発を進めているという。

Zは2000年、4代目で一度は生産が中止された。いったん歴史が途切れたものの、02年に「日産の復活のシンボル」として新型車を再投入した経緯もある。これまでに世界で計180万台が生産され、ファンに愛されてきた。同社を代表するスポーツカーの投入を、再び復活の足掛かりとすることができるだろうか。

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