未だ具体案示さず 大相撲9月場所は前途多難な状況で初日 無給を恐れる力士たちに相撲協会は「あとで考える」との方策

コロナ禍の続く中、大相撲9月場所が9月13日に初日を迎えました。中止や無観客開催、地方予定を両国に移しての開催など、様々な手立てを講じてきた相撲協会。しかし、力士に対する安心を与えられていないのではないかと思うのです。
新型コロナウイルスの拡大が深刻化してきた3月、相撲協会は3月開催される大阪場所を無観客にすると発表。あらゆる興行が中止されていた中で無観客とはいえ開催に踏み切ったことは、若干の「勇み足」にも思われました。
しかしこの時期、プロ野球やJリーグなどもこの時期は無観客開催を検討しており、今から振り返れば理解のできる対応ではなかったかと思います。
ですが、私がこのとき不安を感じたのが、万が一本場所中に力士が感染した時の対応について…でした。
世間では「万が一、感染者が発生したら本場所を中断するのか否か」に注目が集まっていました。その中で私は、感染した力士の成績をどのように取り扱うかについて不安を覚えていたのです。千代丸関が、発熱をして心配されましたが陰性となり、幸いにも、本場所中の感染発覚はなく場所を終えて行きました。
つづく5月場所は当初、初日を2週間延期しての開催を予定していましたが、方針を転換して中止に。そこには、4月に初めて発生した力士をはじめとする協会員が複数人感染したことも影響していました。そのため、感染した力士たちだけが本場所に出場できないという事態は避けられたのです。この時に感染した力士のうちの1人である勝武士(当時三段目)が、死亡するという衝撃的な出来事があったのもこの時です。

さらに7月場所。2500人限定ではあるものの、約半年ぶりに観客を入れた本場所が開催されました。この時も、他のプロスポーツと足並みを揃えてという流れだったため大きな批判はありませんでした。
しかし、ここでも私が気になったのは、場所中に感染して球場を余儀なくされた力士の処遇についてです。相撲協会はコロナ対策をはじめて半年近くが経ったこの時期でさえ、そのことについて具体的な言及をしていなかったのです。そんな心配をよそに、7月場所は感染者をだすことなく、さらに照ノ富士関の感動的な復活優勝で幕を閉じました。
このように、すんでのところで本場所中の力士の感染は免れてきました。しかし9月場所を前にして、玉ノ井部屋でクラスターが発生。陽性反応が出た力士19人全員が、医療機関に入院する事態に直面しています。
本場所が中止されれば、成績そのものがつきませんが開催されるとなると、彼らは休場扱い。休場は負けに等しいため、特例措置がなされなければ番付が陥落します。
それでもなお協会から具体案は出されず「場所後に協議する」との発表のみ。場当たり的どころか、事後判断という遅れに遅れる対応を取ることにしているのです。
その場所の成績によって、翌場所の番付が決まる大相撲。万が一、十両から幕下に下がるようなことになれば、一気に無給生活に突入するのです。「感染したことが悪いことではない」と芝田山部長は話しました。しかし2ヶ月先から突然、給料がなくなるかもしれない不安に対して、いまだに具体的な救済措置をを示していない協会。
改革を経て、外向きの動きには若干の改善が見られてきた相撲協会ですが、内側に向けた改革はまだほとんどなされていないようです。
コロナ拡大からすでに半年、早急な具体案の提示を切に願います。(文◎Mr.tsubaking)

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