【記者の目】五輪競技日程決定で室伏広治氏の“栄転”が可能に

文部科学省は11日、スポーツ庁長官に2004年アテネ五輪の陸上男子ハンマー投げ金メダリスト、室伏広治氏(45)が就任すると発表した。任期満了により9月末で退任する鈴木大地初代長官(53)からの金メダルリレー。この日都内で取材に応じた鉄人は、職責について「(鉄球よりも)はるかに重い」と覚悟を口にした。新型コロナウイルスの影響で来年に延期された東京五輪へ、日本のスポーツ行政を担う新たなトップとなる。
室伏氏は五輪組織委のSDとして、競技運営計画や、国際、国内の各競技団体との調整という極めて重要な役割を担ってきた。五輪延期に伴い、最大の懸案だった競技日程が7月17日に決定。組織委としても室伏氏の不在は痛手だろうが、ひと山越えたことで“栄転”も可能になったとみられる。
現役時代から独創的なトレーニングを次々と開発。ジャンル問わず多くのアスリートが教えを請うカリスマ性がある。英語も堪能で、国際感覚も豊かだ。この夏にインタビューした際、コロナ禍を「逆にスポーツの素晴らしさを分かってもらえるチャンス」と捉えていた。大局観や前向きな姿勢は、日本の顔として組織の先頭に立つことで、さらに生かされるのではないか。
競技人生において「インプルーブ(improve=改良、改善の意)するのが楽しい」という世界の鉄人。鈴木初代長官の意思を引き継ぎ、五輪成功という高いハードルに立ち向かう役割は、まさに適任だろう。(五輪担当・太田 倫)

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