「ディズニーファン」創刊30周年、太田編集長が123日間の休園中もこだわったTDRリポート

東京ディズニーリゾート(TDR、千葉・浦安市)のオフィシャルスポンサーである講談社が発行する月刊誌「ディズニーファン」が7月27日発売の9月号で創刊30周年を迎えた。新型コロナウイルスの影響で史上最長123日間休園していたTDRが7月1日に開園したことで、30周年記念号の表紙に「パーク、再開。」の文字が躍った。前号までTDRの取材ができない異例の誌面作りを乗り越えた太田美千子編集長(44)に記念号への思いを聞いた。
記念号の表紙で、ミッキーマウスとミニーマウスが野外フェスで熱唱している。創刊30周年を記念して発売されたCD「ディズニー音楽Best of the Best」のジャケットとの連動企画だ。巻頭は「パーク、再開。」の感動的なグラビアとなった。
太田編集長は「私たちもずっとパークに入ってなかったんで。自分の目で見て空気をお伝えできたというのはうれしいです」とキャラクターの“笑顔”を集めた付録のピンナップに負けない笑みを浮かべた。
TDRの2パーク、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)は、2月29日から臨時休園。東日本大震災があった2011年3~4月を超えて史上最長123日のトンネルに入った。
「編集部としても初めての経験でした」。30周年イヤーの新年度に発売した5月号(3月25日発売)は、4月15日にオープン予定だったTDLの大規模開発エリアを紹介し、ミッキーの新コスチュームのスクープ写真が表紙を華々しく飾ったが、翌6月号(4月25日発売)から取材がゼロに。

アニメやグッズなど、パーク以外のディズニー情報で作るべきか。「私が編集部に来たのが前のネズミ年なので、少なくとも12年はパークで巻頭を作ってきた」。読者の気持ちになって考えてみた。
「皆さんは、パークに行けなくてもパークが閉まっていても、パークを感じていたい、という思いを持っている」。いつでも行ける首都圏と違って、地方や海外居住の人は1年、いや何年もかけて“予習”する。だから、次に行く時を思って読んでくれる読者に、パークの情報を届け続ける使命があるのだ。
「ウチが30年やってきたことを振り返る企画をやろうと。その集大成が8月号でした」。6月25日発売号は「夢のタイムマシーンでスペシャルイベントをもう一度 懐かしのイベントを振り返る」というまさに集大成の企画。それだけに「アーカイブ企画も何回もやっていたら芸がなくなる」と後がなくなった今回の周年記念号に7月1日の再開取材が間に合った。「開園が1号遅くなっていたら…。締め切りはちょうどこの取材ができるぐらいだったんです」と巻頭のTDLのグリーティングの模様をうれしそうに眺めた。
記念特集では、ディズニー通の俳優・風間俊介が思い出のバックナンバーを振り返る。30年間の取材で培ったトリビアクイズが30問もあり、TDRのパークチケットがプレゼントされるのも公式情報誌ならではの強みだ。
だが、次号もパークを取材ができない不安は残る。「今年はパークのスペシャルイベントがないので、何で作ろうかと考え続けています。TDSの来年のショーも発表されたので、来年に向けてワクワクするような誌面を作っていきたいですね」と新たな締め切りへと進んでいる。(酒井 隆之)

◆太田 美千子(おおた・みちこ)1976年1月11日、愛知県岡崎市生まれ。44歳。岡崎高から東大文学部卒。98年、講談社入社。女性誌「FRaU」「Style」編集部を経て、2008年10月から、月刊「ディズニーファン」編集部。16年2月から4代目編集長。好きなディズニーキャラクターはランプの魔人ジーニー。
◆「ディズニーファン」 日本初の大人向けディズニー公式情報誌として講談社が1990年7月17日、カリフォルニアのディズニーパーク開園記念日にちなんで季刊誌として創刊。隔月刊を経て、95年5月号から月刊化。実売部数は10万部、年間定期購読数は過去最多の1万7000部に。編集部員(社員)は6人で、フリーのスタッフが約20人。30周年記念号の特別定価は860円(税込み)。

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