コロナ下で絶好調の楽天証券、米国株取引数は17倍に

2020年1-6月期の楽天証券の業績は絶好調だった。コロナの環境下で株価の値動きが激しくなり、世界的にオンライン証券は好調。新規顧客が増加し、取引高も増加した。米国株の取引が活況で、約定数は17倍に増加した。一方で、将来に向けて取引手数料の無料化の検討は進めるものの、タイミングは「様子見」とした。

営業収益は+23.9%
2020年1-6月期の営業収益は342億1100万円と前年同期比で23.9%増。営業利益も72億200万円と28.7%の増加だった。特に増加したのが、株式デリバティブ収益だ。国内株式売買代金は昨対でほぼ倍増。全体に占める比率は前年同期の26.5%から約10ポイント増加し、36%となった。

「株の参加者が急激に増えた」と楠雄治社長は話す。1-6月の新規口座獲得数は65万口座に達し、昨年同時期からほぼ倍増。特に3月は単月で16万口座を獲得するなど、コロナ下での値動きの激しさが顧客獲得につながった。

米国株取引は17倍に
米国株の取引も大きく増加した。6月単月で見ると、前年同月比で約定数は17倍。収益は7倍になった。「GAFA中心に米株市場が活況。ニーズも高まり、19年後半からサービスを強化した。サービス時間を朝の8時からにし、4月からはスマホアプリで米国株も取引できるようにした」(楠社長)

米国株の売買高自体は日本株の5%程度と、それほど大きくない。「日本株に比べるとビジネスは小さいが、伸びは日本株よりも米国株の手数料のほうがはるかに大きかった」(楠社長)

米国株取引増を牽引したのはスマホだ。4月にスマホアプリ「iSPEED」を米国株に対応させ、6月の時点で既に取引の45%がiSPPED経由となった。

手数料ゼロ化は「様子見」
国内証券事業者のいずれもが念頭に置く売買手数料のゼロ化は、想定と準備はしつつも、現状は「様子見」だと楠社長は話した。

「一定の利益、健全性を失うわけにはいかない。手数料のウエイトが短期的には上がっている。(コロナによって)短期的なトレーディング目的の人が増えてしまった。収益源の成長を見ながら、健全に継続的にサービスを提供していくことは重要。(手数料ゼロ化は)なるべく早くやりたいが、これだけ株式売買委託手数料の(収益に占める)ウエイトが上がったら、新しい施策もやらなくてはならない」(楠社長)

一時的とはいえ、株式市場の荒い値動きにより、株式売買委託手数料は前年同期比で73.9%増。手数料ゼロ化には、収益源の多角化が必須だが、手数料収入の比率が大きく上昇した形だ。

一方で、ゼロ化を見据えた取り組みも新たに始める。9月23日からは、新たに「信用貸株」サービスを開始する。従来保有株式は、代用有価証券として信用取引の担保に利用するか、証券会社に貸し付けて金利を得る「貸株」のどちらかしか選択できなかった。信用貸株は法令の解釈変更によって実現するもので、代用有価証券として担保に入れたまま貸株に入れることができるようになる。「代用有価証券は数千億円規模あるので、信用貸株は手数料ゼロ化に向けた補完収益の1つだ」(楠社長)

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