元熊本県副知事・小野泰輔氏、引っ込み思案の都庁変える くまモンを世界的有名キャラにした男が「挑戦できる組織に風土改革を」

東京都知事選(7月5日投開票)注目候補のインタビューは、維新が推薦する小野泰輔氏(46)。選挙戦では今月上旬まで約8年間、熊本県の副知事として働いてきた行政能力をアピールしている。実行力にも定評があるが、いかんせん泣きどころは知名度が低い点。それをカバーする戦略、小池都政の問題点などを聞いた。なお、ラストサンデーを迎えた28日は、各候補が思い思いの方法で支持を訴えた。(高柳 哲人)
新型コロナウイルス対策のため、オンラインを中心とした形で繰り広げられている今回の都知事選。小野氏もSNSを積極的に活用する一方で、他候補と比べると会場を告知しての街頭演説や商店街の練り歩きなど、オーソドックスな選挙運動である「ドブ板作戦」も併用している。
「知名度ゼロからのスタートですからね。やはり、リアルに会って理解してもらうということは大切だと思っています。それに、私自身の政策が『経済を元に戻すためには、対策をきちんと取って外に出る時には出る』というスタンス。そのためには自分が閉じ籠もっていても仕方ないですから」
都庁内への閉じ籠もりを決め込む小池氏への皮肉にも聞こえるが、「ある意味、想定内だった」そうで、批判するつもりもない。それよりも小池氏を頂点とする現在の都庁が抱える問題点を指摘する。
「都庁の職員は現在、トップの顔色をうかがうことばかりで、引っ込み思案になっていると聞きます。でも、それでは新しいものは生まれない。その意味で、私が都知事になったら、組織風土の改革をしたいと思っています」

小野氏が副知事を務めた熊本と言えば、誰もが知っているのが「くまモン」。元々は九州新幹線開業に向けたPRキャラクターだったものを著作権を県が買い上げ、展開をしていったことで、世界に知られるように。その中心で動いていた一人が、小野氏だった。
「県の職員がいろいろなことに挑戦できたから、今のくまモンがある。そのような、新しいアイデアが生まれるような土壌をつくりたい。私の政治の師である蒲島(郁夫熊本県知事)さんは、よく『皿を割れ』と言っていました。皿洗いをちゃんとやる人は失敗して割ることもある。でも、何もやらなければ割れることはない。私も『自分が責任を取るので、どんどん挑戦しなさい』と呼び掛けたいと考えています。もっとも、くまモンのようなキャラクターをもう一度つくって成功させるのは難しいと思いますが(笑い)」
出馬を決め、会見したのが今月2日。“着の身着のまま”での上京だったため、家族は現在も熊本県内で生活する。夜、寝る前にLINEのビデオ電話で3人の子供たちに「おやすみ」を言い、「頑張ってね」と声を掛けられることが、体力的にも厳しい選挙戦の何よりの回復剤となっているという。
「下の子たちには選挙をやっていると言っても分からないので『パパは東京で頑張っているんだよ』と話してあります。上の子は8歳なので、もう選挙というものが理解できる。『勝ったら(ニンテンドー)スイッチ買ってね』と言われているんですが…。ただ、かみさんはゲームには厳しくて『選挙の結果は関係ないだろ』と子供には言っているみたいですね(笑い)」
〇…小野氏はこの日、7か所で街頭演説を行った。原宿では多くの若者を前に開口一番「経済を回していきましょう」と呼びかけた。告示日には「知名度がない」と発言していたが、この日の演説では「選挙経験が豊富な人たちと(知名度が)並んでいる」と、手応えを感じている様子。連日の街宣で疲労も多いが「最後は総力戦になると思う」。27日にサプライズ応援演説を行った妻・ゆりさんら家族や著名な政治家からも力を借りながら投開票までひた走る。

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