330メートル日本一高いビル「森JPタワー」24日開業 「あべのハルカス」を30メートル抜く

不動産大手の森ビル(東京)は20日、東京都港区で進める再開発事業「麻布台ヒルズ」を報道陣に公開した。超高層ビル「森JPタワー」は高さ330メートルで、300メートルの「あべのハルカス」(大阪市)を抜き、日本一になる。24日に開業する。
全体の区域面積は8・1ヘクタールで、東京ドーム1・7個分。延べ床面積は森ビルが手がけた「六本木ヒルズ」を超える。麻布台ヒルズ全体で2万人が就業し、1400戸の住宅に3500人が暮らす見込みだ。
網目状の外観の施設など個性的な建物が特徴。「緑に包まれた広場のような街」を掲げ、2・4ヘクタールを緑地にした。0・6ヘクタールの「中央広場」にはケヤキやイロハモミジなど、約320種の植栽が広がり、担当者は「四季の移ろいを感じられるように工夫した」と話す。
日本一となる「森JPタワー」は64階。地下から4階までが商業施設、5~52階がオフィス、53~64階が住宅となる。ベンチャーキャピタル約70社が集まる拠点や、高精度の検査が可能な人間ドック「慶応大予防医療センター」が移転する。
ほかにもインバウンドによる富裕層の利用が期待できる高級ホテルや、60か国1100人が学ぶインターナショナルスクールも開校する。入り口となる低層部は英国のデザイナー、トーマス・ヘザウィック氏が担当。ロンドン五輪の聖火台などを手がけ、日本では初のプロジェクトとなった。
建物の低層部を中心に150の店舗が入り、うち飲食店など94店は24日に開店する。「エルメス」などの高級ブランド店は来年2月以降、順次オープンする。
都内では、急速な再開発が進んでいる。タワーマンションが湾岸部を中心に建設され、都心部では、地上45階建ての「東京ミッドタウン八重洲」(中央区)や、地上48階建ての「東急歌舞伎町タワー」(新宿区)が相次いで開業。来春には旧築地市場(中央区)の再開発事業も本格的に始まる。
日本一となった麻布台ヒルズだが、27年度には東京・大手町に高さ390メートルの「Torch Tower」が開業予定。高さ日本一を譲ることになる。
◆世界100位入れず
「麻布台ヒルズ」が「あべのハルカス」を抜き日本一高いビルになった。とはいえ、世界ランクで見ると100位にも入っていない。
世界トップは、ドバイ(アラブ首長国連邦)にある「ブルジュ・ハリファ」で高さ828メートル、163階。2位は「ムルデカ118」(マレーシア・クアラルンプール)で高さ678メートル。「上海中心」(中国・上海)632メートル、「メッカ・ロイヤル・クロック・タワー」(サウジアラビア・メッカ)601メートルと続く。
ベスト10には韓国の「ロッテワールドタワー」(ソウル)554メートルなどアジア勢が9つもランクイン。アジア以外では、米ニューヨークの「ワンワールドトレードセンター」(541メートル)が最も高いビルとなった。

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