「欠航多い」説もわかる?「八丈島空港」なぜ着陸の難所になったのか マジで“天然のクセ強空港”だった

伊豆諸島の南に位置する八丈島の空の玄関口「八丈島空港」は、欠航が多いともいわれます。着陸に技術が求められる空港であるため、そのような声も頷けるかもしれません。
東京都心から南へ約300kmに位置する八丈島は、伊豆諸島でも大島に次ぐ人口規模の島です。旅客機で羽田から1時間弱の距離にあります。ただ、八丈島空港は「欠航が多い」ともいわれています。ここは、どのような空港で、なぜそのようにいわれやすいのでしょうか。
「欠航多い」説もわかる?「八丈島空港」なぜ着陸の難所になった…の画像はこちら >>八丈島空港(乗りものニュース編集部撮影)。
八丈島は、南部に三原山、北部に八丈富士(西山)がそびえ、その中央に平野部が開けているという独特の地形が特徴です。平野部から少し八丈富士側のところに八丈島空港があります。
この空港の滑走路は、ほぼ東西方向に設置されており、たとえば西側から着陸する際には、客室左側に八丈小島と八丈富士、右側に三原山を望め、他の空港にはない絶景を味わえます。一方、この空港に降り立つパイロットにとっては、着陸操作に技術を求められる場所ともいえるでしょう。
とあるパイロットは八丈島空港を「風の流れが非常に複雑で、風速は低くても気流が安定しない空港」と評します。これは先述したふたつの山が、滑走路の南北それぞれわずか3km前後にあるためだそうです。
この空港への着陸を経験した男性は「先述した気流の影響からか、着陸直前にほかの空港より若干揺れが強くなりました」と話します。なおこの日は快晴ではあったものの、北東から秒速5mの風が吹いていたそうです。
そして先述のパイロットによると、滑走路にもポイントが。八丈島空港は「中央付近をピークにして両滑走路端に向かって0.4%の下り勾配となっている」とのこと。これは着陸時、上り勾配に接地することになることを意味し、パイロットにとっては着陸の降下角度が接地寸前で変わってしまうということにもなります。
そのような環境にある八丈島空港ですが、着陸失敗による事故は発生していません。これは同空港に乗り入れる国内のパイロットや航空会社の、長年にわたる経験と高い技術力の証といえるでしょう。

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