【千葉魂】小島 魂の112球 「これからは自分が引っ張る」 千葉ロッテ

魂のピッチングだった。9月5日、敵地PayPayドームでのホークス戦。小島和哉投手は7回を投げて無失点。112球の熱投で今季8勝目を挙げた。チームの連敗を2で止めたヒーローはしかし、ゲームが終わると倒れ込むようにトレーナー室のベッドに横になった。だからロッカーを出たのは誰よりも最後。マウンドでエネルギーの全てを出し切った男は自力で歩くのが精一杯というような状態で球場を後にした。
「初回から飛ばしていきました。絶対に勝たないといけないのだぞと自分にあえてプレッシャーをかけながら、この試合に向かっていました。六回にマウンドに行ったときぐらいから疲れを感じて、交代を告げられてロッカーに戻ると、ドッと疲れがきました。まだまだ体力がないという事。今後は最後まで投げ切れるような体力もつけないといけないし、同じようなことにならないように気をつけます」
脱水症状のような状態になっていたという小島。登板翌日はチームバス出発時間まで宿舎でしっかりと静養をして元気を取り戻し、ちょっと恥ずかしそうに振り返った。
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「絶対に勝ちます」。試合前日に口にしたメディア向けコメントも闘志を燃やし、己に重圧をかけるような気迫あふれるものだった。そして迎えたマウンド。初回から思いっきり腕を振り、打てるものなら打ってみろと言わんばかりの闘志で投げ抜き、ホークス打線を封じていった。試合中盤から三振を奪うと雄たけびを上げ、ガッツポーズを見せた。
「思いっきり叫んだのは自分に気合を入れるため。ちょっと疲れも感じてきたので気合で投げないといけないと思い、ああいう感じになってしまいました。しっかりとストレートで押し込んで、アウトを取りたいとゲーム前から思っていた中でそういう投球が出来て良かったです。インコースもしっかりと使うことができたかなと思っています」と小島。
ホークス戦勝利は意外にもプロ入り初。連続無失点は17イニングに伸ばした。厳しい戦いが続くシーズン終盤。開幕投手を務め、ここまで先発ローテーションの中心として投げてきた男はチームの勝利のために燃え尽くす覚悟をもっている。
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「投げる試合はしっかりとチームが勝てるようにと思っています。長いイニングを任されて勝ちを計算してもらえる投手になりたい。これまで先輩投手の皆様に引っ張ってもらった。これからは自分も引っ張れるような投手になりたい。チームに勢いをもたらせるような投球ができる投手になりたい」
求めているのはチームの勝利。そしてチームに勢いをもたらす炎のピッチング。小島はこれからも魂をこめて腕を振る。目指す目標を気迫の投球で手に入れてみせる。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)

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