規格外のサツマイモ カヌレに変身 地元パン店と生産者が共同開発 香取

香取市産サツマイモの規格外品を活用した洋菓子の新商品を市内のパン店と農業生産法人が開発した。食品ロスの削減が狙いで、商品名やロゴには市内のデザイナーが携わり、地元産品の魅力発信も狙っている。
新商品は洋菓子のカヌレ「imol(イモレ)」。農業生産法人で株式会社「ローソンファーム千葉」(同市)の篠塚利彦社長(38)が形や大きさが合わない規格外品の廃棄量を減らすため、サツマイモをペースト状にする機械を今シーズン導入。商品化につなげる企業を探していたところ、共通の知人でデザイナーの平野明彦さん(43)を通じパン店「丘の上のシェリー」との連携が実現した。
同社が育てたサツマイモ「紅はるか」を長期間低温で熟成させ、焼き上げた「TADANE」(同社の登録商標)が原料。昨年11月に商品開発に着手した。同店の新井翔大さん(29)は「パンと比べて日持ちが長く、冷凍保存が可能な、店で人気のカヌレで商品を開発することにした」と説明。サツマイモの甘さや香ばしさを最大限に生かすため、砂糖など甘味料を抑えた。
試作は約3カ月に及んだ。新井さんは「カヌレの生地の量と合わせたサツマイモの重量でカヌレの形に焼き上がらず大変だった。焼く時間を分刻みで試したり、型に生地を入れる方法を調整したりし今の形にたどり着いた」と振り返る。
3月3~5日に横浜市で開かれる日本最大級のパンのイベント「パンのフェスアワード2022」に出品する。会場での販売価格は390円(税込み)。同店店頭では当面350円(同)で販売する。
電子商取引(EC)サイトなどでの販売も検討。篠塚さんは「生産者として生産物をいろいろな形で発信していきたい。香取のお土産となる商品を目指してこれからもブラッシュアップしていく」と意気込む。新井さんは「イモレを通じて佐原に興味を持ってもらえたらうれしい」と話した。
同社はコンビニ店のローソンやローソンストア100に野菜を供給することを目指し設立された。

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