市販薬にも「ジェネリック」がある? 安く治すため知っておきたい経済学

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「あー、頭痛え」
いや、別に部下が何かやらかしたわけではなく、普通に頭痛が起きやすい体質なのですよ、私は。特につらいのは手持ちの常備薬を切らせたときで、そんなときは慌てて薬局に出かけます。
頭痛薬の定番品のイブA錠は「速くよく効く」ため昔から使ってきたのですが、あるとき薬局の売り場でイブA錠のお隣にアダムA錠が売られていました。「なになに?アダムとイブ?いったいどういうこと?」と思って手に取って比べてみたところ記載されている成分分量がまったく同じです。
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イブA錠が痛みに速く効くのは有効成分のイブプロフェンのおかげなのですが、一回2錠分でまったく同じ150mg入っているのです。それを見つけたのが、私が薬局で市販用のジェネリック薬を買うようになった最初のきっかけでした。
ジェネリックとは後発薬のことで基本的にお医者さんで手に入る処方薬を指すことが多いです。特許の切れた薬の後発薬の場合、先に売られているブランド薬のようにお医者さんへの営業や宣伝のコストがかかっていない分だけ安いのです。医薬品のコストを抑えるために最近では厚生労働省もジェネリックを使うことを大いに勧めています。
では市販薬で成分がまったく同じ商品はどうなのでしょうか? いろいろな意見がありますが処方箋の要らない市販薬はもともと安全性が高いので処方薬のジェネリックのように副作用を気にすることはないでしょう。私の経験では「同じ成分なら効能は同じ」で、飲んだら割とすぐにつらかった痛みが消えていくのです。

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最近では大手薬局チェーンならだいたいどこでも頭痛薬の売り場に行くと、よく知っている一流メーカーの商品の横に、そのチェーンおススメのジェネリック市販薬が置いてあります。テレビで広告宣伝していない分だけ少しだけ安い。
近所の薬局で売っているイブプロフェンの場合、メーカー品の価格が90錠入りで948円(税別、以下同)なのに対してジェネリック品は100錠で798円ですから若干安い。実はこの「少しだけ安い」というのはメーカー同士の競争の結果です。一流メーカーもやられっぱなしというわけにはいかないので有名商品の売価を下げて“ジェネリック封じ”をしているのです。
さて、頭痛薬でブランド薬とジェネリック市販品の価格差がそれほど大きくはないのは頭痛薬のマーケットが大きいからです。売上が大きいのでメーカーも思い切り値下げで対抗することができる。しかしもっと市場が小さい商品だったらどうでしょうか?ここが今週のポイントです。
おなじつらい痛みに筋肉痛があります。久光製薬のフェイタス湿布薬や興和のバンテリンで痛みを速くとりたいですよね。
実はこれらの商品の有効成分であるフェルビナクやインドメタシンも市販のジェネリック製品が出ています。メーカー品とジェネリックの価格を比べてみるとフェルビナクの湿布の場合は価格は同じで枚数は1.6倍、インドメタシンの塗り薬は分量が1.7倍のうえに価格は半額以下となぜか滅茶苦茶に安い。
つまり結論としてはジェネリック医薬品はマイナーなカテゴリーの商品ほどお得になるということなのでした。

Sirabeeでは、経済の素朴な疑問に対して明快な解説をする経済評論家にして戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は「薬局で売っている市販薬の買い方」についてお送りしました。
(文/鈴木貴博)

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