戦前の豊見城、証言や航空写真などを基にデジタル復元へ 3D化した建造物なども配置予定 沖縄・豊見城市

【豊見城】豊見城市教育委員会文化課が高齢者の証言や米軍の航空写真などを基に、沖縄戦以前の集落のデジタル復元に取り組んでいる。同課によると、地域住民と協力して当時の集落をデジタルで復元する事業は県内初。現在は本年度中の公開を目指して真玉橋と瀬長島の復元に取り組んでおり、13日に同市中央公民館で開かれる講演会では戦前の真玉橋の3Dイメージを一般向けに披露する。(南部報道部・国吉聡志)
同課の島袋幸司さんは「戦後77年が過ぎ、戦争体験の継承が求められているが証言者が当時どのような生活をしていたのかは意外と知られていない」と指摘。「当時の写真も少ない。高齢者の記憶にある情報を聞き取って再現することが、失ったものへの理解につながる」と意義を語る。
同課は、沖縄戦直後に米軍が作成した地形図を基にした立体地図をコンピューター上で作成。その上に戦争直前に撮影された米軍の航空写真のデータを貼り付け、字誌や住民の証言を基に3D化した家屋や建造物も配置する予定。文化財建造物の3次元計測などを手がける民間企業や、有識者の助言を受けながら立体化を試みている。
高齢者の聞き取りは4月から開始。文化課の学芸員は10月28日、真玉橋で生まれ育った金城昌勝さん(88)と赤嶺新隆さん(78)に戦前の集落の様子を聞いた。
金城さんは「集落内の水はきれいで、飲み水に使っていた井戸もあった。中心には石畳の道が整備されていた」と説明。「真玉橋は由緒ある集落なので、記録して次世代に歴史を語り継ぎたい」と語った。
今年は1522年に真玉橋が架けられてから500年となる。瀬長島も復元に向けて作業を進めており、来年3月末までに一般公開する方針だ。
13日の講演会「デジタルでよみがえる 真玉橋とその歴史」は午後2時半から、同市中央公民館大ホールで。琉球歴史家の上里隆史さんが登壇する。入場無料。問い合わせは同市教委文化課、電話098(856)3671。
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戦前の真玉橋集落の様子を証言する(左から)金城昌勝さんと赤嶺新隆さん=10月28日、豊見城市教育委員会文化課

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