「ナチス関連書籍」掲載で通販カタログ「自主回収」騒動が「やりすぎ」と擁護される理由

通信販売大手の千趣会は9月20日、通販カタログ「ベルメゾン」2022年秋号でモデルの女性がナチスドイツの第三帝国と関連する書籍を持った写真を掲載したとして、自主回収すると発表。通販カタログ編集者が事情を説明する。
「問題の写真には笑顔のモデル女性が、イタリア語で『第三帝国の建設』と題された書籍を持ち、『わくわくする本が見つかったら、一人での帰り道も楽しい』というキャッチが添えられていました。同社によれば、9月中旬頃に読者からの指摘で把握したといい、20日には会員にメールで『意に反して不適切な表現をしてしまいました』と謝罪。『旧国家社会主義ドイツ労働者党、及びそれに関する組織等を一切支持しておらず、本件で被害に遭われた方々を傷つける意図もございません』と理解を求めています」
事態を重く受け止めた千趣会は、カタログの自主回収を明らかにしているが、これには「やりすぎではないか」といった声も少なくない。
悪意がないのであれば自主回収までする必要はない、さすがに本のタイトルがイタリア語では気付かない、というのがその理由だ。流通ジャーナリストがこれに理解を示しつつ、補足する。
「なお、『第三帝国の建設』はドイツ人ジャーナリストで建築史家のアンナ・テウトが建築分野におけるナチス支配の影響を記した研究書で、ナチスドイツを礼賛する本ではありません。確かに『わくわくする本』というキャッチが引っかかりはしますが、自主回収するほどのものではないという声が出るのも当然だと思います。ただ、欧州では当然ながら、ナチス問題に非常に厳しい目を向けられているのも事実。早めに事態の鎮静化を図るために自主回収という判断を下したのでしょう」
やはり賢明な判断だったのかもしれない。
(小林洋三)

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