【詳報】次男か元秘書か…那覇市長選は“身内”の争い 故翁長雄志氏を支えた後援会で何が起きているのか

[那覇市長選 2022.10.23]
10月16日告示、23日投開票の那覇市長選まで1カ月と迫った。プロボクシング元世界王者で会社経営の平仲信明氏(58)が立候補を断念したことで、「オール沖縄」勢力が推す前県議の翁長雄治氏(35)と、自公推薦の前那覇副市長・知念覚氏(59)の一騎打ちの構図が見えてきた。両氏は故翁長雄志氏の次男と元秘書という、いわば“身内同士”。城間幹子市長の「後継指名」に加えて、雄志氏を支えてきた後援会の動向も焦点の一つとなりそうだ。後援会は既に解散したものの、関係者は4~5千人規模とされ、選挙となればいまだ結びつきは強い。旧後援会元幹部によると、関係者の対応は一部で割れており、過半は静観している状況だという。何が起きているのか取材した。(那覇市長選取材班・城間陽介)
「知事選ではデニーさんを応援したが、市長選は知念さんを応援するよ」
20日夕、那覇市おもろまちの知念氏の事務所開きに、故翁長氏の複数の旧後援会幹部が姿を見せた。雄志氏の旧後援会は元真和志市長の父助静氏、県議で副知事も務めた兄助裕氏から受け継がれ、地域や同級生を中心に裾野は広い。
元幹部によると、2014年、18年の那覇市長選では城間幹子氏、今回の知事選でも「オール沖縄」が推す玉城デニー氏を支援した。雄志氏が築いた「オール沖縄」勢力の一端を担ってきたといえる。
しかし元幹部らは玉城氏支持から一転、市長選で自公推薦の知念氏支持に回ると態度を変えた。理由は以下のようなものだ。

①玉城デニー、城間幹子両氏は故翁長氏が直接後継指名している。だから応援できた。
②雄治氏の政治経験が浅い。
その点、知念氏は市政運営に精通している。コロナ禍だからこそ安定した行政手腕に期待できる。
また、別の元幹部は現在の「オール沖縄」勢力の“変質”も推せない理由に挙げた。「以前のような保革共闘ができない状況になっている。一部の革新政党中心に政治運動が展開されている」と。
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指摘されるように「オール沖縄」は以前のような経済界を巻き込んだ保革共闘態勢とはいえない状況になっている。しかし、このような状況を招いたのは何だったのか。辺野古新基地建設の強行や、基地とリンクするような振興策(再編交付金、沖縄振興特定事業推進費など)で民意をくじき、ここ数年は一括交付金も大幅減額するなど、国による一方的な圧力によって意図的に作り出された“現象”にも映る。
故翁長氏が市長時代に総務部長を務めるなど元側近で、城間市長の後援会長を務めていた宮里千里氏は、こうした国と沖縄の従属関係にノーを突きつける根源的な意味を、翁長氏から学んだと語る。
今市長選は知念氏を支持する一部の旧後援会元幹部から距離を置き、雄治氏を支持する決意だ。
「僕は翁長雄志にひどいことをした自民党の推薦をもらって立候補する人は応援できない。翁長さんは沖縄が国と戦える、沖縄は頑張れるというのを見せてくれた。(振興策などで)自公と組むのが現実路線かもしれないが、やっぱり沖縄はこのままではだめと思っている」。宮里氏は自ら言い聞かせるように語った。
4~5千人規模に上るとされる旧後援会関係者の多くは「まだ眠った状態」(元幹部)にあるという。
長年翁長氏を支え、死去後も遺志を継ぐと奮闘してきた旧後援会関係者にとっても、今年の市長選は大きな分岐点となりそうだ。

那覇市長選立候補予定者の関係図

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