地方の生活コストは本当に安いのか? – FPが地方に移り住んで感じたこと 第109回 成年年齢引下げ(20歳→18歳)において、地方暮らしでの注意点

「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。
お金の取扱いについて注意することは、都心部と地方部では、違いはないのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか? 」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。

○成年年齢が20歳から18歳に引き下げられて半年

2022年4月から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。約140年ぶりに成年の定義が変わったので、今年の春は、たくさんのメディアで取り上げられました。「18歳成人」についてはご存じの方も多いでしょう。

成年になると、保護者(親など)の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約を結ぶことができるようになります。おさらいとして、18歳(成年)になるとできることを見てみましょう。

<表1:18歳(成人)になったらできること>

※普通自動車免許の取得は従来と同様、18歳以上で取得可能。
※表1の出典:政府広報オンライン「18歳から大人に! 成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。」を加工して作成

<表1>のなかでも、最も注意しなければならないのが、「1 保護者(親など)の同意がなくても契約できる」でしょう。未成年者である場合は、契約する際に保護者(親など)の同意が必要です。仮に、未成年者が保護者(親など)の同意を得ずに契約した場合には、原則として、契約を取り消すことができるとされています(未成年者取消権)。成人となった18歳以上の人は、親の同意がなくても自分でさまざまな契約ができるようになりますが、未成年者取消権を行使することはできなくなります。

18歳になると、自分1人で契約することができる自由を手に入れた一方で、契約に対する責任を負うことにもなります。
地方暮らしで成人となった人が主に気を付けること
【1】自動車購入

地方暮らしにかかせない「足」として、18歳になるとすぐに普通自動車免許を取得する人も多いでしょう。

自動車を購入する場合、20歳未満が未成年者であった頃は、必ず親権者の同意が必要でした。成年年齢が18歳となった現在では、自分のみの意思で自動車の購入、つまり自動車の売買契約を結ぶことができます。また、自動車の購入に際して、ローンを組む場合でも、自分のみの意思でローン契約をすることはできますが、安定した収入がない場合(学生である、アルバイトやパートなどの非正規雇用で働いているなど)は、保証人が必要となることが多いようです。

これはあくまでも原則としてのルール。お金の貸し手側(金融機関など)としては、返済能力も審査するため、ローンの申込をしたとしても審査に通るかは、貸し手側の判断となります。

なお、大型・中型自動車運転免許の取得は、これまでと変わらず、20歳以上となります。

【2】定期購入

都心部には、さまざまな美容や健康に関連する商品が販売されています。地方部でも販売されていますが、販売店の数や販売されている商品の種類は、都心部のほうが多いでしょう。また、個人的な感想ですが、東京に在住しているときよりも、地方に在住しているときのほうが、テレビのCMや地元の雑誌などの広告で「美容や健康に関する商品」を取り上げている割合が多いように感じました。国民生活センターのデータによると、若年層では、ダイエットサプリメントやバストアップサプリメント、除毛剤などの詐欺的な定期購入商法のトラブルが多いようです。「初回無料」「送料無料」「お試し500円」などという言葉に惑わされずに、「○回以上購入することが契約の条件(定期購入)である」や「解約や退会の方法」などの契約内容をしっかり確認することが必要です。

※参考:政府広報オンライン「18歳、19歳、20歳の皆さん! ご用心! 成人になると増える、こんな消費者トラブル~18歳から大人~」
○まとめ

18歳から大人となると自ら契約できることが多くなり、早い段階で自立する人も増えてくるでしょう。一方で、まだお金の知識が十分に身についておらず、社会経験が少ない若年層が悪質な勧誘のターゲットになる危険性もあります。

大きな金額の契約をする場合は、親など社会経験が豊富な年上の人に相談しましょう。親族や友人に相談しづらい場合は、私たちファイナンシャル・プランナーに相談することも1つの方法です。

また、地方部では、都心部に比べて店舗数や商品数、情報量などが少ないこともあり、インターネット通販を頻繁に利用している人も多いでしょう。特に、美容商品、健康食品、洋服、ブランド商品などの購入や、アダルト情報サイトや出会い系サイトの利用は、慎重に、購入方法や利用方法を十分確認しましょう。

高鷲佐織 たかわしさおり ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。 資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。 この著者の記事一覧はこちら

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