なぜ、防げなかった?専門家「安全対策もコース設定も疑問」カート暴走事故【ひるおび】

楽しいはずのイベントで、どうしてーー北海道森町で起きた「カート」の暴走事故。痛ましい事故はなぜ起きてしまったのでしょうか?設営や安全対策の問題点を、交通事故の専門家に聞きます。
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9月18日、北海道森町で開かれていたイベントで、11歳の女の子が運転するカートが見物客に突っ込み、子ども3人が病院に運ばれた事故。函館市の吉田成那ちゃん(2)が頭を打ち、亡くなりました。主催者によると、女の子はコースを回ってピットに戻る際、最後の直線で減速して曲がるところを、スピードを落とせず直進。そのままコース外に飛び出したということです。イベント開催者:「ピットインするということで、基本的には低速になる場所だったので、フェンスがないというような状況」カートが走るコースと観客の間には三角コーンで作られた柵しかありませんでした。来場者によるとーー『遠目から見たときは、プロがデモ走行しているのかなってくらい速かった』運転指導の担当者:「手を伸ばして体を引っ張ってとか、アクセルペダルを引っ張って止めようとか、そういうことをやろうとしたんですが、限界でした」ーー時速40キロぐらいは出ていた?「はい」警察は安全対策に問題がなかったか、業務上過失致死傷の疑いで捜査を続けています。
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事故は、自動車販売店が主催の子ども向けに開いたカート体験イベントで起きました。カートが走行していたのは、宿泊施設の駐車場に作られた仮設コース。使用されたカートは排気量は200CCの「レーシングカート」と呼ばれるタイプで、通常のゴーカートよりもスピードが出るものだったといいます。遊園地などで見られるゴーカートなどには、運転席の背中側に強制的にブレーキをかけるレバーがついており、非常時には第三者がブレーキをかけることができるようになっています。しかし今回のカートにそのようなブレーキはついていませんでした。イベントのチラシには『味わったことのないスピード感を体験』と表記。利用基準は“身長140センチ以上の方”とあり、女の子は身長140センチ以上クリアしていたので、事前に講習も受け、1人で高速コースを体験していました。恵俊彰:レーシングカートというのは普通のカートとは違うんですか?交通事故鑑定ラプター 中島博史所長:遊園地にあるようなゴーカートというのは、基本的に段差程度も乗り越えられないようなスピードしか出ないようになってます。緊急時には、第三者が減速することもできるようなものです。レーシングカートというのは名前の通り、実際にレースをするために作られている物なので、レースに不必要なものというのはついていません。こういうものを使用するのであれば、主催者は本当に安全に気をつけなければいけなかったはずです弁護士 八代英輝:レーシングカートを私も実はやっていたんですけど、体重が軽いと有利なので、お子さんから始める方って多くて。でも問題があって、レーシングカートはゴーカートと違ってスピードがすごく出るんですね。右足がアクセル・左足がブレーキになるんですけども、ブレーキって後輪にしか効かないんです。ですからパニックになって両足踏んだとしても減衰力が出ないでそのまま走ってしまう。

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中島氏は、そもそも今回のコース設定に問題があるのではと指摘します。中島氏:一番スピードが出て急に減速をして曲がるっていうのは、レースでは非常に難しいからこそ見栄えがするところなんですけれども、例えば普通のレース場であればその先に砂があって壁があって、乗客には絶対にぶつからないような構造になっています。普通のコース設定をするのであれば(今回のコースであれば)直線の初めのあたりにピットレーンを作るような感じにすると思うんですけれど、直線の最後に(ピットレーンを)作った。しかも観客側に絶対に車が行かないようにするような措置をしていなかったというのが不思議でもあり、やはり安全意識の徹底がなされていなかったと思います。八代英輝:最高速が出た後に、90度曲がってピットレーンに入っていくっていうのは初心者にはちょっと難しすぎるセッティング。目の前に人が迫ってくると余計怖くなって両方を踏んで、それで止まれなく突っ込んでしまうことは十分あり得ると思います。
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今回の事故、主催者側はどのような罪に問われるのでしょうか?弁護士の若狭勝氏によるとーー主催者側は安全管理を怠ったため、業務上過失致死に問われる可能性(5年以下の懲役もしくは禁錮。または100万円以下の罰金)11歳の女の子に関しては【刑事責任に問われる年齢ではないため、罪に問われることはない】ということです。恵俊彰:主催者側に何らかの過失があったと考えると。八代英輝:コース設営と、11歳の女の子を乗せるのにふさわしい車だったのかどうかという部分ですよね。レーシングカートでも初心者用のタイプはいくらでもありますので、どういったタイプに乗せたのか。それから指導の部分。あと、お子さんたち(観客)の見る位置・立ち位置、そういったところですね。(ひるおび 2022年9月20日放送より)

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