天使もえ、稲森美優、月島さくらが「AV新法」改正求めビラ配布 収入ゼロになる女優も

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7月に閉会した通常国会で可決・成立したAV出演被害防止・救済法、いわゆる「AV新法」。出演契約締結から1ヶ月間の撮影禁止や、撮影終了から4ヶ月以内の公表禁止といったルールが新たに定められた。
かつて出演強要などが問題となったAV女優の権利を守り、被害を防止することが目的の法律だが、現場で実際に活動する女優たちからは「働きづらい」「仕事が減ってしまった」など、悲鳴も相次いでいる。

4日、東京・新橋駅前SL広場では、人気AV女優の天使もえ、稲森美優、月島さくらが、「AV新法をかえたい!」と題した署名を集めるためのビラ配布活動を行った。
それに先駆けて、3人の女優と緒川はる、花宮レイの2人を加え、7月10日に投開票が行われた参議院選挙に立憲民主党から比例区に立候補した栗下善行・前東京都議とともにYouTubeで1時間ほど対談。この動画は、追って公開される予定だ。

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表現の自由を守る政治活動が評価され、ネット上でも支持を集めたものの惜敗した栗下氏は、「AVのように政治家が嫌がりがちなテーマも議論の俎上にのせることが大切」と語る。
「『多様な生き方を認めていく』という考え方が政治の世界で力強くないと、こうしたものは守られない」と栗下氏。一方で、女優たち自らが積極的に声を上げる姿勢を高く評価した。

2016年にデビューした緒川はるは、2017年にAV人権倫理機構が成立し、その審査を受けた作品が「適正AV」として認められるようになった前と後の業界を体験している。同機構は、出演強要問題に対する業界浄化のための自主的な努力として作られたもの。
メーカーからプロダクションへのギャラ総額提示、所属プロダクションとの契約、オムニバス作品を編集・販売する際の出演費支払いなど、適正AVで大きく変わったと語る。

拙速な法案審議や当事者へのヒアリングが十分でないことなどが批判を集めたAV新法。メーカー専属女優として高い人気を誇る天使もえも、「すでに大きな影響が出ている」と懸念する。
メーカー専属の場合、出演本数は基本的に月1本だ。仮に関係者のコロナ感染や濃厚接触などが発覚した場合、新法では女優以外の男優であっても急遽代役を立てることができず(1ヶ月の期間が求められるため)、撮影が飛ぶことになる。
月1回しか撮影機会がない専属女優の場合、そのダメージは少なくない。

「競泳水着のお姉さん」としてグラビアアイドルとして活躍した後、2021年11月にAVデビューした稲森美優は、グラビアDVDとAV作品、両方の世界を体験している。
「契約やスタッフさんの対応など、AVのほうがずっとちゃんとしていると思いました」と稲森。グラビア時代は、台本になかった衣装や演技を求められるケースもあったという。

メーカー専属女優としてAVデビューし、数多くの作品に出演できる企画単体女優に転身する稲森だが、本来であれば出演作品を一気に増やしたかったタイミングで「AV新法ショック」が襲った。

「これからAVの世界で勝負しよう」と考えるデビュー前の女性については、被害から身を守る効果も期待される新法。しかし、今すでに業界で活躍している女優たちにとっては、デメリットのほうが目立つようだ。
AVプロダクションが加盟する一般社団法人日本プロダクション協会が430名のAV女優を対象にした調査によると、全体の51.9%が「AV新法後に新規オファーが減った」と回答。16.7%は「仕事がゼロになった」という。
業界が自主的に団体をつくり、適正化を進めていたプロセスが無視されるような形の新法は、メーカーやプロダクションだけでなく、女優たちの仕事や生活を大きく揺らがせつつある。
適正AVに関わるメーカーやプロダクションが疲弊していった場合、現在でもすでに問題となっている海外違法サイトや法律を無視した同人AVなどに女優や製作者が流れてしまう、という状況も起きかねない。
こうした違法サービスは、そもそも国内法を遵守する意思がないので、女優たちはさらなる危険に晒されることになる。

街頭に立って声を上げた女優たちだが、本来はファンに夢を見させるファンタジックな存在。SNSなどで政治的な発信をすることについては、葛藤もあるという。

しかし今回のビラ配りについては、事前にSNSで呼びかけたこともあり、あいにくの急な豪雨にもかかわらず多くのファンも集まった。
当事者の声が反映されず、事態を悪化させることも懸念されるAV新法。女優たちの人生とAVコンテンツの未来を守るためには、ファンもまた力を合わせることが求められるかもしれない。
現在、「女優・男優・スタッフが働きやすい『AV新法』にしてください」という署名活動も実施中で、発起人・賛同者として多くの女優や男優、関係者が名を連ねる他、1万4千筆を超える賛同が集まっている。
(取材・文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)

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