防災・減災を考えるシンポジウム開催、防災教育のあり方や災害時の深刻なトイレ問題浮き彫りに

地震発生後の3時間以内にトイレに行きたくなった人は38・5%のデータも
各地で記録的大雨や土砂災害などが相次ぐなか、防災・減災を考えるシンポジウムが5日、東京・墨田区の曳舟文化センターレクリエーションホールで行われた。冒頭には読売新聞グループ本社・山口寿一社長が主催者「公益財団法人 文字・活字文化推進機構」理事長として挨拶。「災害に対して私たちが何ができるかを考える、行動するきっかけを共有したいという思いから企画した」と趣旨を説明した。
基調講演では、災害社会工学を専門とする群馬大学大学院理工学府・金井昌信教授が「防災教育はどうあるべきか」という課題に対し、学ぶ内容よりも学び方の重要性を力説。「普段できないことは災害時にできるはずはない。普段の生活の中で自ら主体的に行動できるよう、実戦を想定して継続的な防災学習を構築すべき」と提唱した。
シンポジウムは、国学院大学人間開発学部の鈴木みゆき教授がコーディネーターを務め、読売新聞社が特別協力。2020年9月から運営する防災情報サイト「防災ニッポン+」の笠間亜紀子編集長がパネリストとして参加し、情報の重要性を説明。サイトに掲載した600本の記事を「ぜひ活用してほしい」と訴えた。また、防災士の資格を持つ笠間編集長は「大切なモノは1人1人違う。自分とって何が一番大切なのか、明確にしておくことも大事」と話した。
パネラーにはNPО法人日本トイレ研究所の加藤篤代表理事も参加。地震発生後の3時間以内にトイレに行きたくなった人は38・5%、東日本大震災では仮設トイレが避難所に3日以内に行き渡った自治体は34%にとどまったという興味深いデータを提示。「死なないための防災があって、生き延びた後はトイレが深刻な課題としてある」と話し、防災を考えるなかでのトイレ問題の重要性を指摘。会場に集まった約100人が熱心に聞き入り、防災への意識を高めた様子だった。
後援した墨田区からは山本亨区長も出席。区内のひきふね図書館では8月7日まで防災・減災を考える絵本「原画展『うみといきる』」(絵・いとう良一、金の星社刊)を観覧無料で開催し、区民への防災意識を高める。

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