ヤマハ、新型e-BIKEを発表–国内でもブームの兆し「グラベル」需要を先取り

ヤマハ発動機は1月13日に新型スポーツ電動アシスト自転車(e-BIKE)発表会を開催。スポーツ電動アシスト自転車(e-Bike)「YPJシリーズ」の新モデル「WABASH RT(ワバッシュ アールティー)」「CROSSCORE RC(クロスコア アールシー)」の2種類を、3月10日より発売することを発表した。

○電動アシスト自転車は日常の足からレジャー用途の需要増

1993年に世界で初めて電動アシスト自転車を発売してから、約30年が経過したヤマハ発動機。電動アシスト自転車の国内市場はこの10年で2倍に伸長し、その出荷台数は2020年時点で73.7万台となり、右肩上がりの状況となっている(自転車産業振興協会)。

「移動をラクにするというコンセプトのもと開発が始まった電動アシスト自転車は、当初、シニアの方に注目されたことをきっかけに、子育て中のお母さんなどの買い物での利用、通勤・通学と広がりました。ファッション性も高いモデルも多く、今では中高生が乗る姿も街中でよく目にするようになっています」とは、商品企画を担当する黒沢大介氏。

近年は自転車競技レースでe-Bikeカテゴリーが追加されるなどの広がりを見せており、レジャー用途での需要も高まっている。

とくに自然の中で砂利道や林道など未舗装路を走る「グラベル」は、すでに欧米で通常のスポーツ自転車のカテゴリーだけでなく、e-Bikeでも楽しむスタイルとして浸透。国内でもブームの兆しを見せているという。

2015年にヤマハ発動機は他社に先駆け、国内市場へスポーツ自転車の高い走行性能と電動アシスト機能のメリットをハイブリッドさせたスポーツ電動アシスト自転車「YPJシリーズ」を投入。発売以来、新感覚のスポーツ自転車として通勤などの実用シーンから、中・長距離サイクリング、マウンテンライドなどのレジャーまで、幅広いユーザーからの支持を得てきた。

「電動アシスト自転車に”楽しさ”という価値を求める人が増え、欧米市場でもe-Bikeは広がりを見せています。ヤマハはドライブユニット単体の販売もしており、欧州などで展開しているブランドにも搭載されていますが、ファミリーなどで体力に自信がない方も気軽に楽しめる点がe-Bikeのメリットです」(黒沢氏)
○スポーツ自転車の走行性能と電動アシスト自転車の機能性

「WABASH RT」(43万8,900円、販売計画1,000台)は「いろいろ使えそう。ONもOFFも。」をコンセプトに、未舗装路で最も高い走行性能を発揮しながら、移動が楽しく快適にできる点に力点を置いて開発されたグラベルバイク。オンロードでの快適性とオフロード(林道・砂利道などの未舗装路)での走破性を求める人、未舗装路での走破性を求める人をターゲットとする。

「CROSSCORE RC」(13万7,900円、販売計画1,500台)は「365days,1bike」をコンセプトとし、通勤から仲間とのレジャーライドまで1台で楽しみたい人、街中での走破性を求める人がターゲット。街中でのコミューティングから郊外のロングライドまで快適に走行できる点に注力し開発した、オールマイティに活躍するクロスバイクだ。

どちらのモデルもドライブユニット「PWseries ST」を「YPJシリーズ」として初めて採用。エントリーユーザーから経験豊富なライダーまで、オンロード走行からオフロード走行まで、さまざまな状況下で上質なアシストを提供する。

バッテリー残量やアシストモードなどの情報を見やすく表示する多機能メーター、美しさと走行性能を両立したフレームなど、スポーツ自転車の走行性能と電動アシスト自転車の機能を掛け合わせた点も共通の特徴だ。

「アシストモード」はアシストオフモード含めて5つから選択可能。走行状況やライダーの要求に対して、HIGH/STD/ECOの3つから最適なアシストモードを自動で切り替わる「Automatic Assist(オートマチックアシスト)」モードも備えている。
○それぞれのモデルコンセプトに合わせた徹底的なつくり込みも

本製品開発のプロジェクトリーダーを務めた渡邊岳氏は、モデルごとの設計のポイントを紹介した。

「それぞれコンセプトに合わせて徹底的なつくり込みを行っています。『WABASH RT』については未舗装路で高い走行性能を発揮することを最も重視しました。そのため、アップライトなハンドルグリップのポジション、荒れた路面でもコントロールをしやすいフレアハンドル、オフロードの走破性の高いワイドタイヤなどを備えています」

また、オンロードでの快適性の高さも「WABASH RT」の大きなポイントだ。

「街中では舗装路でも細かい凹凸はありますので、衝撃を吸収してくれるサスペンション付きのシートポストのほか、今のマウンテンバイクには割と標準的な仕様になってきていますが、『ドロッパーシートポスト』という機能も付けました。ハンドル部分のレバーの操作で、乗車した状態で自由にシートポストの上げ下げができ、サドルの高さを変えられる。信号待ちなどで停車した時もサドルから体を前に下ろさず、乗車したまま足をつくことができます」(渡邉氏)

一方の「CROSSCORE RC」は日常のコミューティングと週末のレジャーを共に高い次元でこなすクロスバイク。「YPJシリーズ」でもクロスバイクタイプはすでにラインナップされているが、今回はそのデザインと機能をアップデートしたモデルとなる。

「『CROSSCORE RC』では街中から郊外まで舗装路のコミューティングからスポーツライドまで快適にこなす仕様を追求しました。クッション性とグリップ性の高いワイドなスリックタイヤ、外装9段変速とアップライトなポジションによる快適な走りが楽しめます」(渡邉氏)

プロダクトデザイナーの吉田健人氏は、本製品のデザインコンセプトである”サーフェスドストラクチャー”について、こう解説する。

「オートバイメーカーとしてのヤマハの独自性もふんだんに盛り込み、e-Bikeの基本構造であるバッテリーとドライブユニットがフレームの中に内蔵。単に覆って隠すのではなく、限界まで絞り込んだ構造で表裏一体のデザインにしています。ダウンチューブ内部をツインチューブ構造にして、強度を担保しながら配線ケーブルなどを詰め込み、流れるようなスタイリングを実現しています」

「WABASH RT」は「セレスタイトブルー」のカラーリングで、無駄のない機能進化などを表現。「CROSSCORE RC」は「フレイムオレンジ」「ミスティグリーン」「ピュアパールホワイト」の3色で展開し、より自由なライドシーンを連想させる遊び心ある世界観を表現している。
ヤマハ発動機では今後もラインアップの拡充や魅力向上を図り、これまでにないスポーツ自転車の楽しみ方を提案していくという。

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